新潟合同法律事務所(新潟県弁護士会所属)

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2017年11月8日

「危険運転致死傷罪」について

今年の10月31日、横浜地方検察庁は、神奈川県の東名高速で、追い越し車線に停車させられた夫婦が死亡した事件について、「過失運転致死傷」ではなく、より法定刑の重い「危険運転致死傷の罪」などで起訴したと報道されました。

自動車の運転と刑事罰について、以前は運転中に過失によって人を死傷させた場合は、刑法上の「業務上過失致死傷罪」によって処罰されてきました。 しかし、この「業務上過失致死傷罪」の法定刑は、「5年以下の懲役もしくは禁錮又は100万円以下の罰金」とされていたため、交通事故で人を死亡させたとしても、最高で5年間の処罰にとどまるものでした。

しかし、悪質な交通事故事案が社会問題化したことから、平成19年、平成26年に法律が改正され、現在の法律では交通事故の加害者の処罰に関して「自動車運転処罰法」という新しい法律で処罰されることになっています。

この法律では、交通事故(人身事故)の場合の処罰について「過失」によるケースと「危険運転」によるケースについて定めています。そして、刑罰については「過失」によるケースについては「7年以下の懲役または禁固もしくは100万円以下の罰金」とし、「危険運転」によるケースにおいて被害者が死亡した場合は、原則1年以上(20年以下)の有期懲役とし、最大で30年の刑罰の可能性もある非常に重い犯罪として規定されています。

さて、冒頭の事件では、「高速道路上に車を停止する行為」それ自体が危険な行為であることは異論のないかと思われますが、それが、自動車運転処罰法における「危険運転」(特に停止する行為を「運転行為」)といえるかどうか、さらには死亡した結果が後続車の追突であったことから、加害者の「運転」と「死亡」について法律上の因果関係があるといえるのかどうかについて法律の専門家の間でも意見が分かれています。

個人的には、高速道路上の追い越し車線で車両を停止させる行為は、「運転」と考えることができ、自動車犯罪処罰法上の「妨害運転」(第2条第4項)にあたると考えます。また、高速道路上でのそのような行為自体は人の死亡させる危険がある行為であり、かつその危険が現実化したという意味において被害者の方の死亡と因果関係が認められるのではないかと考えています。

弁護士 二宮 淳悟

著者:

二宮 淳悟2010年12月 当事務所入所 ・新潟県弁護士会 東日本大震災復興支援対策本部 本部長代行 ・新潟県弁護士会 憲法改正問題特別委員会 副委員長 ・新潟県弁護士会 糸井川大規模火災対応本部 事務局長 ・日本弁護士連合会 災害復興支援委員会 運営委員 ・関東弁護士会連合会 災害対策協議会PT 委員

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