新潟合同法律事務所(新潟県弁護士会所属)

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2018年7月5日

ノーモア・ミナマタ第2次訴訟で更新弁論、国の不当な主張に原告団長が抗議

11人が追加提訴、原告は147人に

ノーモア・ミナマタ第2次新潟訴訟の第19回弁論が5月31日に開かれましたが、同日は弁論に先立って第15陣原告11人が追加提訴しました。これで原告総数は147人。新たに原告に加わった11人は51歳から84歳の年齢層で、様々な事情で診断を受けるのが遅くなった方々です。

当日の弁論では、これまで担当していた西森政一裁判長が転勤になり、菅野正二朗裁判長に交代したため、皆川原告団長と味岡弁護士が弁論更新の意見陳述を行いました。皆川団長は、2013年12月の提訴から4年半の間に10人の原告が亡くなっている。「生きているうちの解決を」が私たちの願いである。公正な判決によって私たちを救済していただきたいと訴えました。味岡弁護士は、第2の水俣病を発生させた国の責任を厳しく追及し、国の主張する水俣病罹患の判断枠組みの不当性を明らかにしました。

一方、国側の代理人も、弁論更新の意見陳述を行ました。このうち国の責任については、昭和40年5月31日の新潟水俣病の公式発見以前は、阿賀野川での水質汚濁や新潟水俣病の発生について具体的に認識していなかったから水質2法に基づく国の責任は認められないと述べ、これまでの主張を繰り返しました。また、新潟水俣病が発生した当時の状況からして昭和40年6月以降に阿賀野川の魚介類を大量に摂食していたとは想定できず、昭和41年以降、阿賀野川は水俣病を発症する程度の汚染はなかったと主張しました。

国の代理人の陳述が終わった直後、皆川団長が憤然として立ち上がり、「そのような見解は、現地を見みず、被害の実態を無視した机上の空論だ」と怒りを込めて反論しました。

新潟大学の検査所見の文書送付嘱託の申立てが採用される

この日の裁判では、前回以降に提出され取り調べ未了となっていた原告の陳述書の取り調べが行われました。これで第14陣までの全原告136人の陳述書の取り調べが終了したことになります。また原告は、嶋瀬地区住民の川漁と川魚喫食状況を詳細にまとめた「瀬島地区報告書」を書証として提出。さらに各原告について認定審査会に提出された新潟大学の検査所見等の公的診断書一式の文書送付嘱託の申立てを行い、採用されました。

一方、被告国は、前回、全原告について沼垂診療所と水俣協立病院の診療録、問診票、各種検査結果、入院記録等の文書送付嘱託の申立てを行っていましたが、原告はこれに反論する意見書を提出しました。また、被告昭和電工も26人の原告について既往歴の診療録等の文書送付嘱託の申立てを行ってきましたので、原告はこれに反論する意見書を提出しました。原告はさらに6月末までに反論の追加意見書を提出する予定です。そして、次回7月12日の弁論では、被告等の文書送付嘱託に対して、これを採用するかどうかの裁判所の判断が示されることになりました。

弁護士 中村 周而

著者:

中村 周而さまざまな問題を依頼者の皆様と一緒に考え、解決をめざします。 最近は、社会の高齢化が進む中で、高齢者をめぐる貧困、医療、介護、家族との関係などさまざまな問題が深刻さを増しています。私もそうですが、団塊の世代を含めた高齢者が、もっと声を大にして問題の深刻さを訴える必要がありそうです。

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