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2017年11月9日

三条昭栄開発株主代表訴訟事件で株主の鈴木さんが勝訴  

三条昭栄開発株式会社の株主である鈴木金士郎さん平成25年に提訴した株主代表訴訟で、10月31日、新潟地裁三条支部の吉田静香裁判官は、会社の代表取締役で三条市長でもある被告の國定勇人氏に対し、三条昭栄開発に約134万円を支払うよう命じました。

三条昭栄開発は、三条市が施工主となって建設した商業テナントビル「パルム1」と住宅・店舗ビル「パルム2」の運営管理会社で、昭和63年に三条市やパルム関係者の出資で設立され、現職の三条市長が代表取締役を務めてきました。 ところがパルム1は商業施設としての運営が困難になったため、平成22年1月には、三条市からパルム1の建物を取り壊して更地となった敷地を三条昭栄開発が一括取得して転売し、あわせて会社を解散して整理する方針が示されました。

この裁判で問題になったのは、平成22年8月、三条昭栄開発がそれまでパルム2で事務所として使っていた同社所有の事務所(本件不動産)を約297万円で新潟管財の関係者に売却したのに、売却した本件不動産を引き続き同社の事務所に使うため賃料月額約14万円で2年近くにわたって賃借していたこと。そもそも三条昭栄開発は、同じパルム2に別の事務所(別件建物)を持っており、当時は福田組に貸していたから、解約申し入れをすれば3ヶ月後には賃貸借を終了させることができたから、売却した物件をわざわざ賃借する必要はなかったのではないか。また同社は福田組が別件建物を退去した平成23年3月以降も本件不動産を賃借しており、結果的に2年間の賃借で売買代金をはるかに上回る賃料を売却先に支払うのは、本件不動産をただでやったに等しいことにならないか。

同社の株主の鈴木さんは、三条昭栄開発に対し、代表取締役である國定氏の責任を追及する訴えを提起するよう求めましたが、会社の監査役はこれを拒否。鈴木さんはやむなく平成25年11月、株主代表訴訟を起こしました。

判決で吉田裁判官は、「被告(國定氏)が、福田組が別件建物を退去した後である平成23年4月においても、賃貸借契約の解除を検討しなかった点は、取締役の経営判断の裁量が広範でかつ尊重されるべきであるとの性質を踏まえても、その裁量を逸脱し、著しく不合理であり、被告は取締役の善管注意義務を怠った」として國定氏の責任を明快に認定。そして、「被告は、遅くとも平成23年4月には賃貸借契約の解約申入れをすべきであったが、これを怠ったことにより、会社に損害を与えた」として三条昭栄開発が支払いを余儀なくされた約134万円を同社に支払うよう國定氏に命じ、鈴木さんの主張を認めました。

この事件は、齋藤裕弁護士と私が担当しました。

弁護士 中村周而

著者:

中村 周而さまざまな問題を依頼者の皆様と一緒に考え、解決をめざします。 最近は、社会の高齢化が進む中で、高齢者をめぐる貧困、医療、介護、家族との関係などさまざまな問題が深刻さを増しています。私もそうですが、団塊の世代を含めた高齢者が、もっと声を大にして問題の深刻さを訴える必要がありそうです。

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