新潟合同法律事務所(新潟県弁護士会所属)

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2018年8月3日

宝くじと財産分与(2)

楽しみにしていた方、お待たせしました。夫が充てた宝くじ(約2億円)を原資とする資産が、果たして夫婦の共有財産となるのか、それとも夫の特有財産となるのか、裁判所の判断をお話しします(何の話?と思った方は、「宝くじと財産分与(1)」をご覧ください)。

まず、原審(家裁)は、宝くじの購入原資が夫婦共有財産である家計の収入であるとしても、当然に全額が夫婦の共有財産になるものではなく、当選した宝くじを購入した当事者には当選金について一定の優位性ないし優越性が認められるとして、夫名義の資産の大半を占める預貯金と保険関係は、その7割が夫の固有財産であり、残り3割相当が夫婦共有財産であると判断しました(なお、不動産については分与基準時の6割相当額を夫の固有財産と評価しています)。そして、共有財産の分与割合は原則どおり「2分の1」としています。

つまり、夫名義の預貯金・保険関係については、夫婦共有財産はその3割で、妻が取得するのはその2分の1ということになります。

例えば、預貯金・保険関係が約1億円だったとしたら、その7割にあたる約7000万円は夫の固有財産、残りの約3000万円が夫婦共有財産となり、妻はその2分の1にあたる1500万円を財産分与として取得することになります。

これに対して、抗告審(高裁)は、宝くじの購入資金は、妻と夫の婚姻後に得られた収入の一部である小遣いから拠出されたこと、当選金の使途も、自宅の住宅ローンの返済にあて、夫の退職後には生活費に充てられたことから、当選金を原資とする資産は夫婦の共有財産であり、分与割合については、夫が自分でその小遣いの一部を充てて宝くじの購入を続け、偶々とはいえ当選して当選金を取得し、これを原資として対象財産が形成されたことから、分与割合を妻4、夫6とするのが相当であると判断しました。

つまり、夫が充てた宝くじの当選金を原資とする資産はその全部が夫婦共有財産となるものの、分与割合は原則どおりの2分の1ではなく妻4:夫6となります。

例えば約1億円の財産があったとしたら妻への分与は約4000万円となり、原審よりも分与額は大きくなります。

ただし、宝くじの当選金の取扱いについては裁判例も少ないことから必ずしも今回ご紹介した裁判例と同じ結論になるとは限りませんので、もし宝くじに当選した場合には財産分与がどうなるのか、弁護士に相談してみましょう。

弁護士 鈴木 麻理絵

著者:

鈴木 麻理絵生まれも育ちも埼玉県ですが、縁あって新潟で弁護士として働くことになりました。依頼者の方に「相談して良かった」と思っていただけるように、誠実に取り組んでまいります。

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