新潟合同法律事務所(新潟県弁護士会所属)

電話番号:025-245-0123(受付日時:平日9:00~17:00)
受付日時:平日9:00~17:00

相談予約フォーム

相談予約フォーム

2016年9月29日

日本海横断航路 何が問題か その3

報道でよく指摘されるのは、パナマ社が仲裁で命じられたお金について県や新潟国際海運も支払義務を負う可能性があるということです。

まず、その際に必要な判断枠組みは法人格否認の法理です。

これは、法的責任を負うべき法人とは別の人も、法人格が濫用されたり形骸化しているような場合には、法的責任を負うというものです。

濫用型の場合には、違法不当な目的のために法人格を利用したことが必要になります。しかし、この点、県や新潟国際海運が最初からパナマ社を利用して債務逃れをしようとしていたと考えるべき根拠はありませんから、濫用型には該当しないと思われます。

形骸型については、法人を別のものが支配していると言える関係が必要です。そのほか、営業所が同一かどうか、業務が区別せずになされているかどうか、法人の意思決定に関する手続きがずさんかどうか、役員が兼任されているか、資産の有無程度などが考慮されます。現時点では判明していないものが多いですが、パナマ社については資産の状況や役員の兼任などから形骸型の要件を満たす可能性は高いように思われます。ただし、新潟国際海運については現時点では県との関係で法人格が形骸化しているとまで言える根拠は極めて乏しいと思われます。

以上より、パナマ社については法人格が否認され新潟国際海運がパナマ社の債務について支払義務を負う可能性が相当程度あると思われます。しかし、新潟国際海運の法人格が否認され新潟県が責任を負うということについては、そのように言える根拠がほとんど示されていない状況ではないかと思います。

弁護士 齋藤裕(新潟県弁護士会所属)

著者:

齋藤 裕弁護士に相談したり、依頼することが初めてという方が圧倒的に多いと思います。そのような方が法律事務所に相談に来る場合、「こんなことで相談をしても良いのか?」などと不安に思うこともあると思います。しかし、弁護士は転ばぬ先の杖です。どうしたら良いかわからないと思われたら御気軽に御相談ください。みなさまの最善の利益を実現するため、最大限のお手伝いをさせていただきます。お気軽に御相談ください。

« 次の記事
前の記事 »
トップへ戻る