新潟合同法律事務所(新潟県弁護士会所属)

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2018年3月19日

未成年者が面会交流を強く拒否している場合に間接強制は許されるか

離婚調停の際に子の親権者を定め、面会交流の取り決めをして離婚が成立したり、面会交流の審判が確定したのに、子が面会交流を拒否したため、非監護親が監護親を債務者として間接強制を申し立てることがあります。

判例によれば、「面会交流の日時又は頻度、各回の面会交流時間の長さ、子の引渡しの方法等が具体的に定められているなど監護親がすべき給付の特定に欠けるところがないといえる場合」は、間接強制決定をすることができるとされています。また、監護親に対し、非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判がなされた場合、子が非監護親との面会交流を拒絶する意思を示していることは、「面会交流を禁止・制限する新たな調停・審判を申し立てる理由となることは格別、前記審判に基づく間接強制を妨げる理由とはならない」とされています(平成25年3月28日最高裁決定)。

しかし、この場合でも、未成年者である子の精神的成熟度を考慮しなければなりません(平成29年4月28日大阪高裁決定)。

平成27年に、偶数月に1回の面会交流をすることが認められた審判に基づいて非監護親が監護親に間接強制を申し立てた事案で、原審の大阪家裁は、「面会交流の不履行1回につき30万円の支払い」を命じたのに対し、抗告審の大阪高裁は、原決定を取り消し、間接強制の申立てを却下しました。

大阪高裁は決定で、本件の未成年者(当時15歳3か月)が家庭裁判所調査官の意向調査で非監護親との面会交流を拒否する意向を明確に表明しており、その意思は尊重すべきであるとしています。さらに決定は、「未成年者は平成29年・・月より高等学校に進学しており、その精神的成熟度を考慮すれば、抗告人(監護親)において未成年者に相手方(非監護親)との面会交流を強いうることは未成年者の判断能力ひいてはその人格を否定することになり、却って未成年者の福祉に反するということができる。したがって、本件債務は債務者の意思のみによって履行することができす履行不能」である判示しています。

また、未成年者の意思は、面会交流を拒否する監護親の影響を受けており、本心とは評価できないとする相手方(非監護親)の主張に対し、「未成年者はそれも踏まえて自らの意思で面会交流を拒否していると認められるから、未成年者の意思を本心でないとか、抗告人(監護親)の影響を受けたものとしてこれを軽視するのは相当でない」と判示しています。

弁護士 中村周而

著者:

中村 周而さまざまな問題を依頼者の皆様と一緒に考え、解決をめざします。 最近は、社会の高齢化が進む中で、高齢者をめぐる貧困、医療、介護、家族との関係などさまざまな問題が深刻さを増しています。私もそうですが、団塊の世代を含めた高齢者が、もっと声を大にして問題の深刻さを訴える必要がありそうです。

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