新潟合同法律事務所(新潟県弁護士会所属)

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2017年1月31日

王政復古の大号令から一五〇年目

(事務所誌ほなみ第121号より搭載)
 正月となるとお寺や神社へお参りで賑わっています。新潟県内では、弥彦神社への参拝客が一番多いのですが、混雑する初詣も命懸けの時代もありました。六一年前に起きた弥彦神社事件です。一九五六年(昭和三一年)一月一日午前〇時二〇分過ぎに、初詣に訪れた人が転倒したことから大勢の参拝客が将棋倒しになり、一二四名が亡くなる大惨事となりました。弥彦神社事件も遠い昔のこととして忘れ去られようとしていますが、この事件の惨事は教訓化され、現在は警備も整い、安心してお参りをすることができるようになりました。
ところで、明治維新による神仏分離以前では、神も仏も習合し、たとえば大日如来は天照大神と同一視されていました。神社に別当、社僧と呼ばれる神に仕える僧職身分の者がおり、僧職と神職も分離されていませんでした。
安丸良夫著「神々の明治維新」(岩波新書)によると、一五〇年前は新年早々から、神様と仏様も受難の時代だったようです。慶応三年一二月九日(一八六八年一月三日)に、王政復古の大号令が出され、幕府が大政奉還をし、天皇親政となって行くのですが、維新政府内では列侯会議による公議政体制をとろうとする勢力と対立する中で、神権的天皇制を行おうとする勢力が神祇官制を復古させ、祭政一致による古代天皇制の神権的天皇による政治を行おうとしました。
王政復古、祭政一致の政治の布告が慶応四年三月一三日に出され、この布告を契機に、神権的天皇制を復興させようとする勢力は古い習俗、民間信仰を否定し、神と仏を分離し、神社の御神体となっている仏像や仏具・経巻を廃棄する廃仏毀釈を全国的に展開していきます。
このような動きは仏教側と新政府が対立することになり、慶応四年六月、新政府は廃仏の意思がないことを表明し、仏教側の協力を求めていましたが、地方ではそれを無視し、廃仏毀釈を強行する地方官がいました。
幕府の直轄地であった佐渡でも廃仏毀釈が行われ、明治元年一一月に、佐渡全島の五三九寺院を八〇か寺に廃合するという布達が出されました。佐渡の寺院では真宗の寺院が圧倒的に多く、民衆の抵抗も強く、表面上は廃合寺の命令に従っていましたが、真宗門徒は廃止された寺院の檀家であることを守り抜き、信仰組織を維持しました。その後、廃合寺の復興を求め続け、佐渡の東本願寺派では廃合で四三か寺から一三か寺となりましたが、その寺院をほとんど再興させています。人民の権利を守る民衆の粘り強い力が強権的な廃仏毀釈に抗して寺院の再興の原動力となったのです。
昨年は、国会では憲法改正のための委員会が開かれました。安倍政権は明治憲法下での天皇の「親政」に復古し、戦争の惨過の反省のうえに立って制定された憲法九条を改悪し、日本の軍隊が再び世界に侵出する時代を夢見ようと、その動きを強めようとしています。
廃仏毀釈に粘り強く抵抗した民衆に学び、南スーダンに派遣された自衛隊員が無事に帰国できることを願いつつ、平和憲法の下での、平和に暮す権利を覆そうとする政治に抗したいと思います。
 弁護士 土屋 俊幸

著者:

土屋 俊幸パソコンのハードとOSに強く、当事務所のパソコン機器のメンテナンス係りです。自分で高性能のパソコンを自作しています。オーディオが趣味で、最近では、デジタル信号をアナログ信号に変換する機器(DAC)にiPadをつなぎ、どのUSBケーブルだと良い音ができるのかを試行錯誤をしています。ハイレゾ音源とYouTubeのヒアノ演奏や交響楽団の演奏を真空管アンプで、30年前に買ったスピーカーで、音の歪みのもたらす音に聴き入る時間をつくりたいと思っています。論文検索や技術情報の収集など情報検索を駆使しての情報集めを得意としています。オーディオの世界と仕事では燻銀の経験と粘りで頑張っています。

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