新潟合同法律事務所(新潟県弁護士会所属)

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2018年5月7日

遺産分割と生命保険金(死亡保険金)

Q1 Y氏と同居していた母が先日亡くなりましたが、被相続人の母はY氏を受取人として200万円の生命保険に入っていました。掛け捨ての保険でしたが、保険請求を行って生命保険金(死亡保険金)を受け取りました。母の遺産は年金などを貯めて、3000万円くらいありました。

遺産を分ける話になったら、Y氏の妹と弟が預貯金だけでなく、Y氏が受け取った200万円の保険金も平等に分けるべきだと言ってきました。

生命保険金を含めて遺産を分けなければならないのでしょうか。

A1 受取人がY氏となっている生命保険金(死亡保険金)は、保険契約によって取得する保険金ですので、相続人のY氏が受け取っても、相続財産に含まれません。

最高裁昭和40年2月2日判決は、死亡保険金請求権はその保険金受取人が自らの固有の権利として取得するのであって、保険契約者(Y氏の母)又は被保険者(Y氏の母)から取得するものではなく、相続財産に属するものではないとしています。

Y氏が受け取った死亡保険金は相続財産にはなりません。

 

Q2 Y氏の母が亡くなったことで、Y氏だけが妹や弟よりも多く財産をもらうのは不公平なのではないでしょうか。

A2 Y氏の母が亡くなったことで、Y氏は母が保険料を支払っていた保険契約から支払われるので、Y氏の母からもらった財産ではないかとも考えられます。

この点について、死亡保険金は原則として民法903条1項に規定する特別受益には当たらないとされています(最高裁平成16年10月29日決定)。

しかし、これは原則であって、生命保険契約の保険料は生前にY氏の母(被相続人)が支払っていることやY氏の母が亡くなったことで生命保険金(死亡保険金)を受け取ることができるようになるということを考慮すると、生命保険金を受取った相続人と他の相続人との間で生ずる不公平が到底認めることができないほどに著しくものであると評価すべき特段の事情がある場合には、特別受益に準じて持戻しの対象、すなわち、相続財産に加えての計算することになるとしています。

相続人間の不公平が到底認めることができないほど著しいものと見るべきだとする特段の事情があるかどうかは、「保険金の額、この額の遺産総額に対する比率のほか、同居の有無、被相続人の介護等に対する貢献の度合いなどの保険金受取人である相続人及び他の共同相続人と被相続人との関係、各相続人の生活実態等」のさまざまな事情を総合考慮して判断すべきであるとされています(養老保険契約の事案の最高裁平成16年10月29日決定)。

上記の平成16年の最高裁決定の後の審判では、

①子ども2人が相続人で、遺産総額1憶134万円、生命保険金1憶570万円を相続人の一人が受取人となっていた事例(東京高裁平成17年10月27日決定)、②後妻と先妻の子ども2人が相続人で、保険金の受取人とされた後妻が婚姻期間が3年5か月程度であり、受取った保険金5154万円で、遺産総額8423万円の61%となる事例(名古屋高裁平成18年3月27日決定)では特別受益となるとしています。他方、③子ども4人が相続人で、遺産総額6963万円で、保険金額428万円(6%)を1人の相続人が受取人となった事例では、特別受益として認めていません(大阪家裁堺支部平成18年3月22日決定)。

 

相続や遺産分割について、お気軽にご相談ください。

                  弁護士 土屋 俊幸

著者:

土屋 俊幸パソコンのハードとOSに強く、当事務所のパソコン機器のメンテナンス係りです。自分で高性能のパソコンを自作しています。オーディオが趣味で、最近では、デジタル信号をアナログ信号に変換する機器(DAC)にiPadをつなぎ、どのUSBケーブルだと良い音ができるのかを試行錯誤をしています。ハイレゾ音源とYouTubeのヒアノ演奏や交響楽団の演奏を真空管アンプで、30年前に買ったスピーカーで、音の歪みのもたらす音に聴き入る時間をつくりたいと思っています。論文検索や技術情報の収集など情報検索を駆使しての情報集めを得意としています。オーディオの世界と仕事では燻銀の経験と粘りで頑張っています。

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