新潟合同法律事務所(新潟県弁護士会所属)

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2017年8月2日

面会交流に消極的な夫に子との面会交流の実施を促した高裁決定

  夫婦が別居したり離婚した後に、子と一緒に暮らせなくなった親(非監護親)から、監護親のもとにいる子と面会交流をしたいが、どうしたらよいかという相談をよく受けます。その反対に、子との面会に消極的な非監護親に対し、どうすれば子との面会交流に熱意を示してもらえるかという悩みを抱えた監護親も少なくないようです。

  このようなケースは、家庭裁判所で面会交流事件として扱われます。別居中の夫婦または元夫婦が感情的に激しく対立している場合は、面会交流の調整も困難になりますが、家庭裁判所では、面会交流が「未成年者(子)の健全な成長と発達にとって非常に重要である」という観点から、面会交流に消極的な親に、面会交流の実施に向けた努力を求めるケースが多いように思います(東京高裁平成28年5月17日決定、判例タイムズ1437号)。

  この判例のケースでは、未成年者(本件決定当時1歳7か月)の母が、別居中の夫(未成年者の父)に対して、未成年者(子)と面会交流をするよう家庭裁判所に申し立てました。夫は妻の嫌がらせ行為の一環であると考え、離婚に応じなければ一切交渉には応じないという姿勢であったため、調停が不調になり、審判に移行。原審の家庭裁判所は、面会交流の申立て(本件申立て)を却下しました。

  これに対し、抗告審の東京高裁は、「面会交流は、未成年者の健全な成長と発達にとって非常に重要であり、その未成年者の利益を最も優先して考慮して実施すべき」であるから、監護親と非監護親(別居中の夫婦)は、その実施に向けて互いに協力すべきである。「非監護親も未成年者との面会交流自体には必ずしも否定的な姿勢ではなく、第三者機関を利用した方法による実現の可能性も考えられる」。そうすると、原審で「当事者に対する意向調査等を通じて、面会交流の趣旨の理解とその実施への協力が得られるように働きかけを行うなど、面会交流の実施に向けての合意形成を目指して両当事者間の調整を試み」るべきであり、「原審において、更に審理をする必要がある」として、本件申立てを却下した原審判を取り消し、原審の家庭裁判所に差し戻しています。

    当事務所は、面会交流に関するご相談もお受けしています。ご予約は、電話またはメール(受付フォーム)にてお願い致します。

                                                  (弁護士 中村周而)

著者:

中村 周而さまざまな問題を依頼者の皆様と一緒に考え、解決をめざします。 最近は、社会の高齢化が進む中で、高齢者をめぐる貧困、医療、介護、家族との関係などさまざまな問題が深刻さを増しています。私もそうですが、団塊の世代を含めた高齢者が、もっと声を大にして問題の深刻さを訴える必要がありそうです。

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