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2018年12月27日

「勾留」って何?

最近、ゴーン容疑者が長期間勾留(こうりゅう)されているということで、日本の刑事手続きが国際的にみておかしいのではないかとフランスなどから批判されていますが、そもそも勾留って何?と思われている方も多いのではないでしょうか。

勾留(こうりゅう)とは、逮捕された被疑者、もしくは被告人を刑事施設に留置して拘束することで、逃亡や証拠隠蔽を防ぐために行うものです。

通常、逮捕されると取り調べをしたり、家宅捜索をしたりして警察が捜査を開始します。しかし、罪を犯した嫌疑がある状況の中で被疑者をそのまま釈放してしまうと、被疑者は刑を免れようと逃亡したり、証拠隠滅を図る場合があります。特に、殺人、強盗などの重大事件を引き起こした被疑者については、重い刑から逃れるために逃亡や証拠隠滅を図るおそれが高いと判断されます。そのため、逃亡や証拠隠滅の恐れのある被疑者に対しては、たとえ有罪判決が下る前であっても勾留を行い、身柄を拘束しておくというものです。

では、勾留はどのような手続で行われるのでしょうか。

これは、検察官が裁判所に対して「勾留請求」という手続きをして、裁判所に被疑者を勾留する許可を得なければなりません。そして、裁判官は、以下のような勾留の要件を満たしているかをチェックします。

① 罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること

② 下記のいずれかの要件に当てはまること

・定まった住所を有しないとき

・罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき

・逃亡し、又は逃亡するに疑うに足りる相当な理由があるとき

③ 勾留の必要性があること

裁判官は、被疑者に対して、弁護人選任権があることを告げ、勾留質問を行います。裁判所は、勾留の要件を満たしていると判断した場合には、勾留決定を行い、要件を満たしていないと判断した場合には、勾留請求を却下します。

そして、勾留決定となると長期間の身柄拘束が開始されます。起訴前の勾留の期間は、裁判所が勾留決定をした日を1日目として、原則として10日間です。しかし、捜査の必要性があれば、さらに10日間延長されますので、最大で20日となります。

被疑者は、この間、警察署の留置場や拘置所で生活しながら、取り調べなどの捜査を受けることになります。

海外のメディアからは、取調べに弁護人の立会権が認められていない点についても批判されています。日本はようやく取調べの録音録画が実現できたところですが、今後、弁護人の立ち会いについても早期に実現していく必要があると思います。

 

弁護士 小川和男

著者:

問題を抱えているにもかかわらず、誰にも相談できず悩んでいる方は多いのではないでしょうか、そのような方々が気軽に相談できる弁護士でありたいと思っています。まずはお話を聞かせてください。

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