新潟合同法律事務所(新潟県弁護士会所属)

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2017年9月25日

「子育てと憲法」

 

(ほなみ第122号より搭載) 

 

 今年の夏は、私にとっていつもとは全く違うものになりました。この3月に第一子を出産したので、人生初の「母親としての夏」となりました。現在は育児のため仕事をお休みしており、ご迷惑をおかけしています。

 さて、第一子の誕生は、私に大きな喜びをもたらしてくれましたが、育児は想像以上に大変だと実感しています。「今日はこれをやろう。」「明日はあれを片付けよう。」と思っていても、予定通りに事が運んだためしがなく、「今日もできなかったな・・・。」と思うばかりです。出産してから睡眠も細切れでしかとれませんし、子どもが泣き止んでくれないときにはどうしていいか分からず、途方に暮れてしまうこともあります。日に日に重くなる子どもを抱っこし続けて、手・腰・膝に今まで感じたことのない痛みを感じては、体力の無さを実感しています。正直しんどくて涙してしまう時もありましたが、最終的に子どもの寝顔や笑顔を見ると、そのしんどさもすべて吹っ飛んでしまうのですから不思議です。出産後、実母に、「子育ては忍耐」と言われたことが身に染みる今日このごろです。

 今はまだ歩くこともしゃべることもできませんが、きっとあっという間に歩き出していろんな話をするようになって、気づけばランドセルを背負って小学校に通っているのだと思います。小学校に入ったら、どんな教科書を使ってどんな授業を受けることになるのでしょうか。まさか、どこぞの幼稚園のように教育勅語を暗唱させるなんてことはないと思っていますが・・・。

 今、憲法改正が大きな話題となっています。現在の憲法26条では、すべての国民に「教育を受ける権利」が保障されています。私たちにとって「教育を受ける」ということは、一人の人間として成長、発達し、自己の人格を完成・実現するために必要な学習をするということです。教育内容はその人の人格に大きな影響を与えます。目の前の子育てに追われて世の中の流れに鈍感になってしまうと、前途した「まさか」が、憲法改正によって「まさか」では済まされないという事態もあるのかもしれません。そのような事態を招かないよう、世の中の動きには敏感でいたいものです。そして、子どもたちが伸び伸びと自由に生きていける世の中であってほしいと思いますし、そのような世の中が続くよう、私も行動していきたいと、母親になって改めて強く思っているところです。

 

弁護士 鈴木 麻理絵

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