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2011年5月19日

ただ「契約だから」「必要ないから」と言って雇止めすることは権利の濫用で無効だ、という画期的な判決が出ました ~加茂暁星高校事件~

(事務所誌「ほなみ」第108号掲載) 

 私立高校に長年勤務し、常勤の教員と同じように仕事をしてきた非常勤講師(1年ごとの契約)の先生方を、「雇用期間が満了した」「与える授業数がない」という形式的な理由だけで雇止めした事件で、そのようなやり方は解雇権の濫用で無効であるとの判決が出ました(昨年12月22日)。
 加茂市にある私立加茂暁星高校で、Aさんは理科を25年間、Bさんは数学を17年間、教え続けてきました。仕事内容は常勤の教員とほぼ同じで、お二人も当然つぎの年も勤められるものと期待していました。
 ところが、最近公立高校から天下ってきた学校長が、十分な理由も説明もしないまま、一方的に「契約期限が来たから」「与える授業数がないから」という理由で、19名の非常勤講師のうちAさんBさん含め12名を一方的に雇止めしたのです。
 平成19年12月26日、お二人は、継続雇用を求めて新潟地方裁判所に裁判を起こしました。
 約3年の審理をへて今回出された判決は、「当然つぎの年も勤められるものと期待していた」というお二人の期待は社会的にみて合理的であり保護されるべきだ、という結論を出しました。不安定な立場に置かれている非正規雇用の労働者を励ます画期的な判決でした。
 しかし残念ながら学校法人側が控訴してしまい、現在東京高裁で裁判が進行中です。

 弁護士 金子 修

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