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2010年2月8日

エコ(eco)の思想が指し示すもの

(2010年正月号ほなみ掲載)
 「エコ(eco)」という言葉はだいぶ前からあったが、完全に市民権を得たのは、昨年くらいからであろうか。今や直接家計に影響しない場面であっても、電気や水道のつけ放しだけではなく、CO2を削減するために、冷暖房を控えめにしたり、ごみを減らすために、コンビニなどでも、「袋はいりません」と言うのが、マナーとさえいえる時代になった。
 「エコ(eco)」と似た発想なのが、「無駄遣いはやめよう」というもの。政権交代が示すように、ダムや道路の建設をムダであると考える国民世論が拡がった。道路自体はないよりもあった方がいい。その意味では、純然たるムダではない。それを国民がムダと感じるのは、税金の使い方に対する国民の意識の高まりがあるが、その背景には、「エコ(eco)」の思想がある。豪華な施設を造ること、道路を造ることに、バブル時代に見られたような美徳を感じないのである。むしろ、格好悪いと考えるのである。今では、燃費の良い車に乗っている方が洗練されていて、アメ車のような図体の大きい車に乗っているのはダサいと言われることがある。少し前まではその逆であった。
 新潟においても、栗の木バイパスを高架道路にし、日銀前まえで接続しようという壮大な万代島ルート線が平成4年に都市計画決定されているが、予算が大幅に削減されたようである。 今時、そのような計画は、市民の多くが支持しないであろう。
 「エコ(eco)」の思想は、まちづくりに対する住民の意識を変えていく可能性を秘めている。いくら「エコ(eco)」と言ってみても、今のまちづくりは車で移動することを中心に考えられている。不便であればやはり車に乗る、すると、道は混む。道路が必要となる。これが悪循環であると、次第に考えられるようになるはずだ。
 コンパクトシティという言葉がある。都市郊外化・スプロール化を抑制し、市街地のスケールを小さく保ち、歩ける範囲を生活圏と捉え、コミュニティの再生や住みやすいまちづくりを目指そうとする発想である。日本の大都市では、札幌や仙台がこれに近い成り立ちを見せる町といわれる。新潟市は、政令市でありながら、中心部は空洞化を続け人通りが減り続ける一方、郊外の大型店舗の出店ばかりが目立つ。コンパクトシティの実現には公共交通網の整備などやるべきことは多い。もう一歩進んだ「エコ(eco)」をまちづくりから考えていきたい。
弁護士 近藤明彦

著者:

話しやすい雰囲気で相談・打合せを行い、丁寧な事件処理をすること。依頼者の皆様の満足と納得を最優先にし、安心感を得ていただけることを目標として頑張っています。以前依頼者であった方から、別の事件の相談を再び受けること(リピート)、別の相談者を紹介していただくこと(孫事件とでも言いましょうか)が多く、そのことが私にとって大きな励みになっています。お客様から満足していただけたかどうかのバロメーターであると考えるからです。

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