2012年12月25日

クレジットカードの決済代行サービスをご存知ですか

（事務所誌「ほなみ」第112号掲載）
インターネットの出会い系サイトや競馬情報などの利用料を支払うためにクレジットカードの情報を入力したら、聞いたこともない会社の、しかも海外利用という内容のカード利用の請求書がカード会社から送られて来たという相談があります。
インターネットサイトで、情報提供などの利用料をとるサイト業者が利用しているのが、クレジットカードの決済代行です。決済代行はカード決済の代行をする業者がクレジット会社とサイト業者との間に立ち、クレジットカード決済の手続きを行う業務です。利用者がカードの情報を入力することでサイトの利用申込みができ、利用料はカード会社からの請求によりカード会社を経由して支払われますが、カード会社はサイト業者ではなく、決済代行会社に利用料を支払います。
サイト業者は決済代行会社を通じて利用料をカードで決済してもらえるので、信用がない出会い系サイト業者でも、この仕組みを利用することで確実に支払いをしてもらえる便利なものです。
決済代行会社が海外のカード会社と提携して決済を行う場合もあるので、カードの請求書ではドル決済となっていたり、海外利用となったりすることもあります。
決済代行を利用するサイト業者については、決済代行会社が独自に審査をしていますが、カード会社の加盟店となることができない業者でもカード決済を利用でき、カード情報を入手すれば未成年者でもカード決済ができてしまうという危険性があるものです。
ネットショッピングや利用料をカードで支払うためにカード情報を入力する際には、決済代行かどうかを確かめることも必要です。
決済代行の場合でも、サイト業者によって詐欺にあったり、消費者契約法等に違反して取消したりする場合には、クレジット会社やサイト業者だけでなく、決済代行会社に対しても、サイト業者にカード利用代金を支払わないよう通知し、支払いを止めてもらうようにすることも必要です。

弁護士　土屋 俊幸