新潟合同法律事務所(新潟県弁護士会所属)

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2008年10月15日

多発する霊感商法被害

 新潟県内でも統一協会の信者による霊感商法の被害が多発しています。
統一協会の霊感商法の特徴は、正体を隠して接近してくること。したがって、多くの被害者は、自分が霊感商法の被害にあったことに気づかないでいるケースが多くあります。
特徴的な手口はつぎのとおりです。
あなたの自宅に、印鑑や念珠の訪問販売員が来て、「手相や姓名判断をしてあげます」と言われたことはありませんか。商品が脱臭剤の場合もありますし、突然、「すみませんトイレを貸して」と声を掛けて自宅に上がるケースもあります。
うっかり販売会社に連れて行かれたり、「整体」や「風水学習会」に誘われ、そこで印鑑、念珠、大理石壺、人参茶、浄水器、腹帯、さらには水晶玉や貴石製品など様々な商品を高額な値段で購入させられたことはありませんか。
また、「家系の学習をしませんか」と言われて「○○文化フォーラム」といったビデオセンターに通うようになり、そこで、家系図を作るので戸籍謄本を取るように指示されたり、「○○家の供養祭」をやると言われたり、「因縁清算」を口実に多額のお金を強引に献金させられたようなことはありませんか。
統一協会の信者による霊感商法の被害にあった人は、大体、このような体験をしています。「これは霊感商法だ」と気づかないでいるうちに、高額な商品を購入させられたり、多額の献金をさせられます。「ビデオセンター」で霊界や因縁、地獄をテーマにした様々なビデオを見せられているうちに、統一協会に入会させられ、自らも霊感商法をはじめ統一協会の経済活動に奔走するようになったケースもあります。
最近、新潟県内で起こった実際のケースを見てみましょう。
Aさん(65歳、主婦)のケース。
突然、女性販売員から自宅訪問を受け、手相や家相の鑑定を勧められ、10万円で念珠を購入させられました。その後、因縁の勉強をするように誘われ、「ビデオセンター」で勉強することになったのですが、しばらく勉強を続けているうちに、「先生」から、「先祖の因縁清算のために1000万円を捧げるように。そうでなければ、2人の子供も不幸な目に遭うし、あなたも親と同じような経過を辿る」などと脅かされ、その日の内に預金を解約して739万円を準備し、「先生」に渡しました。その直後、Aさんは家族にこのことを伝え、家族もインターネットで調べるなどして、はじめて霊感商法の被害にあったことを知りました。
Bさん(50歳、主婦)のケース。
知人に誘われてカルチャーセンター(ビデオセンター)に行ったのがきっかけで統一協会に入会。夫の説得を受けて脱会するまでの15年間に、統一協会に合計8474万円の献金をさせられたほかに、壺や弥勒仏、印鑑、高麗人参濃縮液など1692万円の商品を購入。それ以外に統一協会や信者のためにサラ金等から多額の借金をさせられていました。統一協会の違法な伝道活動と経済活動の被害者であることを知ったAさんは、現在、統一協会を被告に損害賠償請求訴訟を起こしています。
2007年の1年間に全国の消費者センターや全国霊感商法対策弁護士連絡会に所属する弁護士に寄せられた被害相談だけでも1252件、1年間の被害金額の合計は40億円あまり。統一協会の霊感商法や違法な入教勧誘については、統一協会に損害賠償を命ずる多くの判決が出ていますが、被害が止みそうにありません。新潟県内でも統一協会の霊感商法や献金集めによる被害が多発しており、改めて警鐘を鳴らす取り組みが必要です。(中村周而)

著者:

さまざまな問題を依頼者の皆様と一緒に考え、解決をめざします。 最近は、社会の高齢化が進む中で、高齢者をめぐる貧困、医療、介護、家族との関係などさまざまな問題が深刻さを増しています。私もそうですが、団塊の世代を含めた高齢者が、もっと声を大にして問題の深刻さを訴える必要がありそうです。

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