新潟合同法律事務所(新潟県弁護士会所属)

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2016年10月17日

新潟の水と空気から

 (ほなみ第120号掲載)

 新潟での生活も学生時代を含めると10年を超えました。九州生まれの私ですが、人生の4分の1を超える時間をここ新潟で過ごし、新潟のコメなくしては生きられず、冬の冷たい空気にもすっかり馴染んできた今日この頃です。
新潟のコメは、雪解け水が上流の肥沃な土壌から信濃川や阿賀野川といった大河から養分を豊富に含んで流れること、米の発熟期の昼夜の温暖差が大きいことから美味しくできるとのことで、まさに「自然の恵み」です。どれだけ科学技術が発達したとしても、この土壌が育むコメを再現することは不可能でしょう。このかけがえのない自然を守り、次の世代に引き継ぐことは、私たちの世代の責務といえます。私は、東日本大震災以後、幾度となく福島県を訪れました。福島県もまた「うつくしま」と呼ばれた豊かな自然があり、かけがえのない美味しい農作物がありました。その自然を回復不可能なまでに破壊し、そのような環境を「過去形」にした原発事故。こんな悲劇は二度と起こしてはなりませんし、その責任の所在を明らかにしなければなりません。
話を戻すと、新潟の太平洋側とは異なる湿度、天気は、太平洋側から来た私にとっては気が滅入ることもしばしばありましたが今ではすっかり慣れました。空気というのはいつもそこにあって気にしないものであり、気にするのは黄砂やPM2.5が飛んでくるといった「いつもと違う」ときでしょうか。2006年、故永六輔さんは「本来、一般市民は憲法なんて気にしなくてもいい、それが平和な世の中というものですよ。市民が『改憲ハンタ~イ』なんてデモするのは、けっして平和な状況ではない。」と言われています。それから10年、市民が「憲法守れ」を日常的に口にするようになりました。憲法も空気と同じように、一般市民が「気にしなくてもいい」のが本来の平和な生活だと思います。今の日本をとりまく空気は、「いつもと違う」にもかかわらず、いつしか慣れていることに不安すら感じます。
…と、今回は原発事故や憲法と離れて、新潟の良さを語ってみようかと思いましたが、まだまだそうもいかないようです。枝豆と日本酒を味わいながら健康に留意し、自然豊かで平和な日常生活を守るべく、やれることをやっていこうと思います。

弁護士 二宮 淳悟

著者:

2010年12月 当事務所入所 ・2012年~新潟県弁護士会 東日本大震災復興支援対策本部 本部長代行 ・2015年~新潟県弁護士会 憲法改正問題特別委員会 副委員長 ・2019年~新潟県弁護士会 糸井川大規模火災対応本部 事務局長 ・2020年~新潟県弁護士会 学校へ行こう委員会 副委員長 ・2023年~新潟県弁護士会 刑事弁護委員会 副委員長  ・2012年~日本弁護士連合会 災害復興支援委員会 運営委員 ・2018年~関東弁護士会連合会 災害対策委員会 副委員長

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