2013年9月9日

高揚感を感じない東京五輪

今朝、２０２０年の五輪の東京開催が決まった。マスコミはお祭騒ぎである。
しかし私はほとんど高揚感を感じない。私のまわりでも東京五輪が話題になることはほとんどなかった。
なぜか。第一に、福島原発の事故処理がまだ見通しが立たない中、オリンピックに浮かれて多額の税金を使うのは「ことの順序が違うだろう」ということ。第二に、『オリンピック憲章』は二の次にして、「オリンピックを誘致できれば、経済的効果は莫大だ」などと、まるで地方自治体の企業誘致みたいな話ばかりが出て、「おいおい、もうける話だけかよ」ということである。
五輪開催の決定までまるで選挙の開票報道のように夜通し放送していたＮＨＫを始め、街頭でマイクを向けられ「東京でオリンピックぅ？　イエィ～」とノリをいい若者を映して、「日本国民がこぞって喜んでいます。」などと報道するマスコミの自家中毒加減にはいささかうんざりだ。
　ただ救いはある。安倍首相が、ＩＯＣ総会で、「フクシマについて、お案じの向きには私から保証をいたします。状況は統御されています。東京には、いかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも、及ぼすことはありません」と世界に向かって大見得を切ったこと。また、マスコミに対し、「東日本大震災からの復興を見事になし遂げた日本の姿を世界中の人々に向けて力強く発信していく。これこそが感謝の気持ちを表す最善の道だ」と述べたこと、である（時事通信）。
安倍首相は、ここ数年のうちに、原発による放射能汚染の解決も大震災からの復興も実現してみせると、世界に対しても日本国民に対しても約束したわけである。
では、約束を守っていただきましょう。私たちも、言い逃れも言い訳も許さない運動をさらに強めていきましょう。

（弁護士　　金　子 　 修）