新潟合同法律事務所(新潟県弁護士会所属)

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2014年1月21日

食への信頼の回復を!

事務所誌「ほなみ第115号」掲載

 昨年の「ユーキャン新語・流行語大賞は、「じぇじぇじぇ」、「倍返し」、「今でしょ」、「お・も・て・な・し」でしたが、昨年は著名ホテルや百貨店のレスランなどの「おもてなし」の世界で、「じぇじぇじぇ」と驚くようなメニューの虚偽表示が話題となりました。
 料理に使う食材をメニューと違った食材を使用していました。バナメイエビを「芝えび」と、ブラックタイガーを「大正海老」と偽ったり、仕入品を「自家製」と表示するなど、外食産業での虚偽表示は食への信頼を揺るがしています。
 お米の世界でも、新潟県の調査で、「新潟県産コシヒカリ」と表示して販売されている80点のうち8点で異なる品種が混入されていたとの結果が発表されています。
 ところで、養殖エビの世界最大の産地のタイでは、養殖中のバナメイエビに早期死亡症候群(EMS)と呼ばれる病気が広がり、大量死したために操業停止が相次いでいるという記事を見かけました。エビの生産が減って価格が高騰し、エビフライに使われる大きさのエビの取引価格が、2倍以上の価格となっているとのことです。
 スーパーで安く買うことができるようになったウナギも、養殖に使う稚魚の乱獲で生産が減少し、価格が高騰してきています。輸入食品も産地事情で価格が高騰し、国民生活に大きな影響を与えます。
 買物をするとき、食品表示に「国産大豆使用」とか、「○○(国産)」、「○○県産」など書かれているのを目にしますが、食品表示への信頼が薄れ、本当に国産品が使用されるのかと疑いの目で見てしまう昨今です。
 政府は、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉で、農産物への関税を撤廃し、関税障壁をなくすことで、安い農産物が輸入され、消費者も助かると言っています。TPP交渉の主要交渉相手国は米国です。米国内の食品検査に合格すれば、日本国内に輸入せざるを得なくなるおそれがあり、食の安全性に対する危惧感がもたれています。
 食品表示への信頼が失われ、輸入品を「国産品」と偽るのではないかという懸念は消えませんが、輸入の妨げとなるということで、「遺伝子組換え」の表示自体が食品表示から消えてしまうおそれもあります。
 国内の農業や医療など安全性を重視すべき様々な分野にTPPによる打撃が、「倍返し」のように重くのしかかってくる前に止める必要があります。
 TPP交渉に関心を持ち、TPPへの反対の声をあげることは、昨年の流行語でいえば、「今でしょ」だと思います。

弁護士 土屋 俊幸

著者:

パソコンのハードとOSに強く、当事務所のパソコン機器のメンテナンス係りです。自分で高性能のパソコンを自作しています。オーディオが趣味で、最近では、デジタル信号をアナログ信号に変換する機器(DAC)にiPadをつなぎ、どのUSBケーブルだと良い音ができるのかを試行錯誤をしています。ハイレゾ音源とYouTubeのヒアノ演奏や交響楽団の演奏を真空管アンプで、30年前に買ったスピーカーで、音の歪みのもたらす音に聴き入る時間をつくりたいと思っています。論文検索や技術情報の収集など情報検索を駆使しての情報集めを得意としています。オーディオの世界と仕事では燻銀の経験と粘りで頑張っています。

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