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2014年6月11日

冤罪を防ぐには「全事件」「全過程」を可視化するしかない

  法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会が正念場を迎えています。

 この特別部会では、4月30日に事務当局試案が公表されました。取調の可視化について試案では、裁判員裁判対象事件に限定するA案と、A案の対象に加えていわゆる身柄事件の検察取調べ全件を対象にするB案が併記される形で提示されています。

 検察・警察推薦委員は、未だにB案には絶対反対だと述べています。しかし、裁判員裁判対象事件は、殺人、強盗致死傷、現住建造物等放火、身代金目的誘拐、危険運転致死など、最高刑が死刑または無期懲役刑となるごく一部の事件に限られており、全体の事件の2%程度にすぎません。したがってA案を採用すると、裁判員裁判とならない98%の事件では、録音・録画が義務づけられないことになります。いわゆる痴漢冤罪や、4人が誤認逮捕され2人が虚偽の自白に追い込まれたPC遠隔操作事件、強姦・同未遂事件でやはり虚偽の自白に追い込まれた氷見事件、警察が選挙違反を作り上げた志布志事件などは、可視化の対象にならないのです。

 仮にB案を採用したとしても、警察は裁判員裁判対象以外は、録音録画が義務づけられません。殺人事件であっても、最初に被疑者を死体遺棄容疑で逮捕した場合は、肝心の初期供述が記録されないことになります。冤罪事件の多くで、警察の取り調べの際に虚偽の「自白」に追い込まれていることを考えると、法制審特別部会の試案は、A案、B案ともに冤罪防止策として、極めて不十分です。原点に立ち返って、冤罪防止には何が必要なのかを議論し、最終とりまとめをしていただきたいと思います。

 

弁護士 小川 和男

 

 

著者:

問題を抱えているにもかかわらず、誰にも相談できず悩んでいる方は多いのではないでしょうか、そのような方々が気軽に相談できる弁護士でありたいと思っています。まずはお話を聞かせてください。

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