2018年1月17日
「次世代ボール」で草野球が変わる?
<事務所誌 ほなみ第123号掲載>
少年野球や中学校の野球部に携わっている人や草野球のプレイヤーはご存じかもしれませんが、来年度から軟式ボールが大きく変わります(少年野球と中学軟式の全国大会は2019年度からの採用となっているのでまだ先ですが)。
これまで、A号は一般(高校生以上)、B号は中学生が使用していましたが、この区分けをなくして、中学生以上の使用球をM号として統一することになりました。中学生以上は大人と同じボールを使うということになります。MとはMajorの頭文字を取ったもので、硬球がメインの海外への普及が狙いのようです(野球の本場アメリカでは軟球はなく、硬球かソフトボールしかない)。これまで少年野球で使用していたC号(学童用)は、J(Junior)号となります。
全日本軟式野球連盟によれば、『中学生の高校硬式野球へのスムーズな移行と、体格の向上した小学・中学生に対応したボールスペックの変更を行う』ということです。
軟式ボールの大きな特徴として高く弾むという点がありましたが、バウンドが高いゆえに内野手が腰高になって硬式ボールの低く速く転がるゴロに慣れるのに時間がかかるといわれてきました。そこで「次世代ボール」ではゴムの配合を変えて低バウンドを実現したのです。
また、B号からM号では直径が約2ミリ大きくなり、重さが約3グラム増えています。小学生、中学生ともに慎重・体重が伸びているので、それに併せてボールのサイズ変更に着手したということです。
実際にM号を使ってキャッチボールをしてみましたが、以前のボールと比べて堅く、あまり弾まなくなっていました。ディンプルと呼ばれる表面のくぼみがザラザラしていて指に引っかかりやすく、個人的には以前のボールよりも投げやすくなった印象を受けました。
「次世代ボール」は、硬式ボールに近い感覚で、ゴロが弾まず速い打球がくるので、内野の守備は大変かもしれません。また、飛距離も少し伸びるということなので、今年からは草野球も大きく変わるかもしれません。冬の間にボールに慣れて、春から「次世代ボール」で野球を楽しみたいと思います。
弁護士 小 川 和 男