2018年10月17日
ノーモア・ミナマタ第2次新潟訴訟 裁判長が、被告の国と昭和電工に異例の「注文」
2013年12 月の第1陣提訴でスタートしたノーモア・ミナマタ第2次新潟訴訟ですが、7月12 日に開かれた第20回裁判で注目されたのは、国と昭和電工の文書送付嘱託(取り寄せ)の申請に対し、裁判所がどのような判断を示すかでした。菅野裁判長は申請を認めましたが、異例の注文をつけました。
今回認められた文書は、国が申請した神経所見シートと昭和電工が申請した原告の既往歴のカルテ等。原告弁護団はいずれも必要性がないという意見書を事前に提出。とくに昭和電工の申請については、原告の陳述書や共通診断書に他疾患の記載があるのを拾い上げて、原告の感覚障害は水俣病以外の他疾患による可能性があり、鑑別の必要があると主張しているだけで、原告の症状の部位や発症形式、発症時期を検討すれば、水俣病であることは明らかで、鑑別の必要は不要です。法廷では弁護団がその理由を詳しく陳述しました。
合議のために退席した後、再び法廷に現れた菅野裁判長は、国と昭和電工の申立てを認めると述べた後、「原告からも審理の長期化を懸念しているという意見が出ているので、他原因について訴訟を引き延ばすような主張はしないように」と国と昭和電工に異例の注文を出したのが印象的でした。
この日の裁判で、原告は第6陣から14 陣原告の個別主張に関する準備書面を提出。国からは、昭和41年以降、阿賀野川は水俣病を発症する程度の汚染はなく、水俣病の発症は考え難いとする準備書面が提出されました。
(弁護士 中村周而/事務所誌124号より)
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