2010年2月4日
フットボールで世界を知る
(2010年正月号ほなみ掲載)
フットボールと言ってもアメフトのことではない。いわゆるサッカーのことである。
今年のいちばんの楽しみはもちろんワールドカップ南アフリカ大会だ。
フットボールは地球上でもっとも人気があるスポーツである。ボール1つあればすぐにできるといった手軽さ、難しいルールがほとんどないといった簡明さ、ルール上ポジションが固定されていないといった自由さなどが人気の理由としてあげられている。
人間が日々当然のように使っている手を使えないため、選手が育った背景や、その時の心理状態がダイレクトにプレーに反映されやすいと言われている。それ故、国民性や民族性が代表チームのパフォーマンスに反映されるといわれており、各国代表の相違も観ていておもしろい。
また、地球上もっとも注目される競技である故に、フットボールを観ることは世界の国々を知ることにつながる。
例えば、クロアチアは、1998年のワールドカップフランス大会で日本を破り、ドイツを破り、オランダを破り、3位となったのだが、この国は、旧ユーゴスラビアから独立した人口450万人ほどの国である。同国は、バスケットボール、テニス、水球なども強豪であり、球技に秀でていることが分かる。
また、イタリア代表の応援では、しばしばオペラ「アイーダ」の凱旋行進曲が使われるが、これによりフットボールを通してイタリアオペラの一端と接点が出来る。オペラはもちろん、芸術やファッションの領域でイタリア人の著名な人が多い。
あるいは、1990年代後半から2000年代の前半のイタリア・セリエAのチームにカロンというFWの選手がいたが、彼の出身国であるシエラレオネという国は、内戦のため世界でも平均寿命が最も短い国のひとつであることを知ることになる。
決定力不足といわれているわが日本、傑出したFWが生まれない理由は、協調性などが重視され、一芸に秀でた者や(FW的な)エゴイストが良く思われない社会や教育方法と関係があるのではないかと言われている。
いずれにせよ、ボールが転がり世界がざわめく。今年の初夏は眠れない日々となりそうである。
弁護士 小淵真史
著者:小淵 真史
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