2012年12月21日
不渡りで脅して貸金の回収を図る「システム金融」
事務所誌「ほなみ」第112号掲載
システム金融業者というのを聞いたことがあるでしょうか。10年以上前から存在する悪質な違法金融業者で、以前商工ローンが問題になっていたときに、商工ローンからも借りられない中小企業や個人事業主がシステム金融から借りるというケースが結構ありました。現在は、一時期ほど被害は多くないようですが、依然として被害に遭われる方がおり、相談を受けることがあります。
システム金融業者というのは、主に中小企業向けにファクスやDMで融資の勧誘を行って、面談もしないで手形や小切手を郵送させるだけで融資をするヤミ金業者のことです。
手形や小切手を担保として郵送させ違法な高金利(年利800%を超える金利)で融資し、さらにその情報を仲間の業者に流して、返済期日が迫った頃に、その情報を受けた別の業者がファクスやDMを送りつけ、融資勧誘し、同じように手形・小切手を担保にとって貸し付けることから、このような連携したシステムで貸付を繰り返すのでシステム金融と呼ばれています。
例えば、ファクスかDMなどで、「電話一本で即融資」などと融資勧誘したのち、融資の申し込みがあると手形、小切手を切らせ、即、中小企業の銀行口座へ入金します。中小企業経営者は手形、小切手の不渡り処分を恐れて融資額と共に利息を返済しようとしますが、高利息のため簡単にはいきません。そこで、融資した悪質業者と裏で繋がっている別の悪質業者がタイミングを合わせて同様の手口で融資勧誘をします。これにより、システム金融から一度でも融資を受けた中小企業は、雪ダルマ式に借金が膨らみ、数ヶ月で破綻してしまうのです。
ファクスやDMを送りつけ融資の勧誘をしてくるのは正規の業者ではありません。とにかく無視することが大切です。もし万が一システム金融から借入をしてしまった場合は、できるだけ早く弁護士のところに相談に行ってください。相手も自らの違法を知っているので、弁護士が受任すると、かなりの割合で交渉に応じてきます。但し、弁護士が交渉しても小切手を交換に回す業者が全くいないわけではありません。この場合は、当座預金を持っている銀行等に、異議申立提供金を積んで対応するしかありません。
弁護士 小 川 和 男
著者:小川 和男
問題を抱えているにもかかわらず、誰にも相談できず悩んでいる方は多いのではないでしょうか、そのような方々が気軽に相談できる弁護士でありたいと思っています。まずはお話を聞かせてください。
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