2010年11月30日
最高検による取調べメモ廃棄指示
先日、最高検察庁が、2008年に全国の検察庁へ取調べメモの適切な保管について通知をした際に、不要なメモの廃棄を促す「補足説明」文書を出していたことが明らかになりました。
この「補足説明」文書には、「必要性の乏しいものを安易に保管しておくことで、無用に開示を巡る問題が生じかねない」ので、「組織的に保管する必要のなくなったものについては、捜査の秘密の保持や関係者の名誉及びプライバシー保護の観点から、安易に保管を継続することなく廃棄すべき」などと記載されていました。
そもそも、取調べ担当検事が必要と判断したメモだけを残して、それ以外のメモは直ちに廃棄するということになれば、自分達にとって不都合なメモは処分し、都合の良いものだけ保管する、ということになります。録音もせず、メモも廃棄している現状では、取調状況についての事後的な検証は全く不可能であり、このままでは、冤罪はなくなりません。
一刻も早く取調べの全面可視化を実現すべきです。
弁護士 小 川 和 男
著者:小川 和男
問題を抱えているにもかかわらず、誰にも相談できず悩んでいる方は多いのではないでしょうか、そのような方々が気軽に相談できる弁護士でありたいと思っています。まずはお話を聞かせてください。
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