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2019年9月2日

特殊詐欺被害について

(事務所誌ほなみ第126号掲載)

いまだに、オレオレ詐欺をはじめとする特殊詐欺が行われています。

以前は、口座にお金を振り込ませたり、現金を郵送させることが多かったのですが、現在は、いわゆる「受け子」が自宅などに現金やキャッシュカードを取りに来るということが少なくありません。

オレオレ詐欺では、まず詐欺をする側から電話連絡が来ます。その際に、怪しまれないように「携帯電話を変えたから電話番号が変わった」とか、「風邪をひいていて声の調子がおかしい」などと言うことがあるので、このような言葉が出たら気を付けて下さい。

また、例えば、孫を名乗る電話が来た場合、詐欺をする側は、そのお孫さんの名前、住所、生年月日、勤務先などが載った名簿を持っていると考えられます。名前や勤務先のことを相手が正しく述べたからといっても、それだけで電話の相手が孫本人であるとは限りません。

詐欺をする側は、「集金したお金を落とした」とか「会社のお金を使い込んで会社にばれそう」など言い、「今日の○○時までに○○万円が必要なんだ」などと期限を区切ってきます。このように期限を区切って急かす場合は詐欺の可能性が高いので気を付けて下さい。

また、「受け子」がお金を取りに来る場合、「自分は今上司と話し合いをしていて動けないので、会社の同僚が取りに行く」などと、他人がお金を取りに行くもっともらしい理由を述べます。

このようなオレオレ詐欺被害にあわないためには、

①「電話番号が変わった」、「風邪をひいていて声が出にくい」などと言われたら詐欺の可能性がある

②自分から、もともと知っている本人の番号に電話をして確認をする

③期限を区切ってくる場合は詐欺の可能性が高い

④そもそも、急に、何十万円、何百万円が必要だというなこと自体が、ほとんどあり得ないことなので、このような話は非常に疑わしい

といったことに気を付けてください。

オレオレ詐欺以外の特殊詐欺では、警察官や銀行員を名乗り「あなたが持っている現金(カード)が偽物の可能性があるから確認する」などと言い、現金やキャッシュカードを取りに来る手口、はがき、メールなどで架空請求をする架空請求詐欺、還付金があるなどと言ってATMの操作をさせる還付金詐欺、融資のため一定の保証金が必要といって保証金名目で請求する保証金詐欺などの手口があります。

また、時事的なトピックに乗じ、例えば、「改元に伴い口座が使えなくなるから通帳と印鑑を預かる」、「東京オリンピックのチケットが当選したので振込が必要」といったような口実で詐欺が行われることもあります。

特殊詐欺を行う側は、何人もの人が組織的に行っています。騙し取られたお金は組織の上部へ流れる仕組みになっており、これを取り戻すことはほとんど不可能です。また、手口も巧妙化しています。現金を振り込んだり渡したりする前に、弁護士や警察などに相談するようにして下さい。

弁護士 小淵 真史

 

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