2021年2月3日
福島原発被害救済新潟県訴訟の「結審」
令和2年9月28日の口頭弁論期日をもって、福島原発被害救済新潟県訴訟の審理を終えました。平成25年9月11日に第1陣を提訴して以後、第4陣まで、計804名の原告の方々とともに闘った7年間でした。
この裁判では、平成29年1月25日から平成30年7月25日までの1年半の間に、計39名の方々に「本人尋問」を実施しました。尋問では、原告の方々の避難生活における苦悩をそれぞれ訴えてくださいました。また、令和元年6月5日には宇都宮大学国際学部准教授の高橋若菜先生に専門家証人として証言していただき、本人尋問に立って下さり、避難に伴う被害は、類型的にみられる共通する被害であることの研究の成果を証言をしてくださいました。
弁護団としては、責任論(原発事故が起きたのは、被告東電、被告国がなすべき対応を怠っていたこと)、損害論(原発事故に伴う被害について)などについて、計59通の準備書面を提出しました。全国各地の弁護団や原告の方々の英知を結集し続けてきたと感じています。
新潟訴訟は、全国的にも同種の訴訟の中で最大規模であることから結審までに他地裁よりも審理期間を要しましたが、新潟地方裁判所での判決が原発事故の被害に向き合ったものであることになることを期待しています。
(弁護士 二宮 淳悟)
事務所誌「ほなみ」第129号より
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