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2018年6月11日

なぜ立憲主義が必要なのか

10年前と比べると「立憲主義」という言葉を,テレビや新聞で多く見聞きするようになりました。
立憲主義とは,憲法により国家権力を制限し権力の恣意を防ぎ,個人の自由,権利を確保しようという考えで,近代憲法の原則とされています。
日本国憲法も立憲主義に基づいているわけですが,では,なぜ立憲主義が必要なのかを考えてみました。
国家権力というのは強大です。どれくらい強大化というと,税という名のもとに国民から財産を強制的に徴収し,逮捕・勾留あるいは禁固・懲役という名目で国民の身体を拘束し,さらに言えば死刑ということで人の命を奪うこともできるのです。
このような強大な権力が,権力者の気分次第で行使されるとするならば,国民はどんな目にあわされるか分からず,たまったものではありません。権力が恣意的に行使されれば,極端な話,犯罪を犯したわけでもないのに明日突然死刑にされてしまうこともあるのです。
したがって,最低限これは守りなさいよということを憲法に掲げて,権力者が好き勝手に権力をふるうことを防ぐ必要があるのです。
それと,権力を行使するのは誰かを考えてみてください。権力を行使するのは,犬でも猿でも猫でもなく,人間です。人間というのはどのような存在かというと,自分に甘い,身内がかわいい,気に入った人を優遇してあげたい,気にくわない人は痛めつけてやりたい,煽てられて喜んだり,ちょっとしたことで怒ったり妬んだりする。
要するに,完全無欠ではなく,不完全極まりないのが人間という存在なのです。このように,人間が不完全な存在であるということは,普遍の真理といってもよいでしょう
不完全である人間が権力を行使する以上,間違いや勝手気ままが起こる可能性があるため,あらかじめルールを設けておき,権力者にそれを守らせるというのは人類の歴史の知恵でもあると思います。

 

弁護士 小淵真史

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