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2016年9月1日

ポケモンGOと法律の諸問題  

 

1 ポケモンGOについて

世代を超えて人気の携帯アプリの「ポケモンGO」は、携帯電話の位置情報(GPS)を使用することで、プレーヤーや街中でポケモンを捕まえたり、バトルも出来るというゲームです。基本的には無料ですが、アイテムなどを有料で購入することもできます。全世界で流行し、街中でも遊んでいる方を見かける今日この頃ですですが、一方でいろいろなトラブルも起きているようです。そこで、「ポケモンGO」と法律問題について考えてみたいと思います。

2 ポケモンGOを始めてみる・・・。詐欺・消費者問題に注意!

(1)不正アプリに要注意!

さぁポケモンGOを携帯電話にダウンロード・・・の場面では、正規のアプリかどうかをご確認下さい。ゲームができないな・・・・と思ったら不正なアプリだったということも。中には「遠隔操作」を可能にするものなど悪質なものもあるとのことですので、ご注意下さい。

こういった「不正アプリ」は不正請求や詐欺にも悪用されるおそれもありますので、不審な点などがあった場合は、アプリを削除の上、怪しい電話やメールなどには対応しないでください。怪しいなと思ったら弁護士や消費生活センターにご相談下さい。

(2)アイテムを買おうかな・・・。

ポケモンGOでは、効率的にポケモンを育てるためのいくつかのアイテムを有料で購入することができます。購入するためには、「ポケコイン」を購入する必要がありますが、クレジットカードや携帯代金での決済が可能です。

場合によっては、お子さんなどが購入し、結果高額の請求が来る場合もあるかもしれません。アプリ内での課金については、保護者に無断で決済できないような設定にしておく必要があります。

3 ポケモンを捕りに行く・・・。刑法・道路交通法に注意!

(1)立ち入り禁止に注意!

さて、ポケモンGOを起動してみると、画面の右下に「近くにいるポケモン」が表示され、「ポケモン探そう!」と歩き回りたい衝動に駆られます。また、様ゲーム内では街中に「ポケストップ」というスポットがあり、そこに近づくとアイテムなどがもらえるのですが、半径50m程度まで近づく必要があります。

しかし、私有地か否かを問わず「立入り禁止場所」に勝手に入ってしまえば、刑法上の建造物侵入罪(刑法130条)に該当し、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金となる可能性があります。画面に夢中になっていた…ということの無い様にご注意下さい。

(2)運転中は「ダメ!絶対!」

また、ポケモンGOは、ゲームを起動させて歩いた「距離」によって、ポケモンの卵が「孵化」します(これによって、新しいポケモンが手に入ります)。中高年のユーザーにとっては、散歩のきっかけにもなり、かなり好評のようです。

とはいえ、自転車、ましては自動車の運転中は絶対に禁止です。道路交通法では、自動車等を運転している時に携帯電話・スマホを使用することは禁止されており、5万円以下の罰金とされています(第120条1項11号)。なお、運転中にポケモンGOをやっていたために人をケガさせてしまったりした場合は、過失運転致死傷(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律5条)に該当し、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金となる可能性がありますので、くれぐれも運転中の使用は控えてください。

4 その他の注意事項~未成年者の利用に注意!

(1)深夜徘徊

新潟県青少年健全育成条例では「誰もが正当な理由がある場合を除き、深夜に18歳以下を外出させ、営業等を営む場所に立ち入らせることをしないよう努めなければならない」と定められています(第22条3号)。ここでいう「深夜」とは午後11時から翌日の日の出時までの時間とされています。たとえ保護者が一緒であっても、深夜のポケモンは控えましょう。

(2)未成年者の責任

また、「ぶつかって他人を怪我させた」といった場合、民事上の損害賠償責任を保護者が負う可能性もありますのでご注意下さい。

5 おわりに

ポケモンがリリースされてしばらく経ちましたが、「子どもとのコミュニケーションが増えた」「歩くのが楽しい。健康的だ」などなど、実は大人の方が夢中になっているようです。マナーとルールを守って、楽しくポケモンを集めましょうね。

弁護士 二宮 淳悟

著者:

2010年12月 当事務所入所 ・2012年~新潟県弁護士会 東日本大震災復興支援対策本部 本部長代行 ・2015年~新潟県弁護士会 憲法改正問題特別委員会 副委員長 ・2019年~新潟県弁護士会 糸井川大規模火災対応本部 事務局長 ・2020年~新潟県弁護士会 学校へ行こう委員会 副委員長 ・2023年~新潟県弁護士会 刑事弁護委員会 副委員長  ・2012年~日本弁護士連合会 災害復興支援委員会 運営委員 ・2018年~関東弁護士会連合会 災害対策委員会 副委員長

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