2017年9月15日
「けんぽう」を一緒に学ぶ
(ほなみ第122号より搭載)
先の国会で成立した「共謀罪」や憲法改正の議論など、最近憲法の価値を揺るがしかねない大きな動きが見られます。また、平成26年には憲法改正の手続きを定めた改正国民投票法が成立し、平成30年6月20日には年齢満18歳以上の者が憲法改正国民投票の投票権を有することになりました。
かかる改正国民投票法によって、高校3年在籍中、または高校卒業後間もない時期にある者が、憲法改正国民投票権を有することになる可能性が出てきます。
そうすると、遅くとも高校3年生になるまでには、憲法の意義を理解し、憲法の担い手が自分たちであることを理解し、主権者として実際に社会に積極的に関わっていく素地、行動力を身につける必要があります。
もちろん、中学校、高校等の学校教育の中で憲法教育を実践していくことは大切だと思いますが、これからは、家庭の中でも子どものうちから憲法の理念を学ぶ機会を作っていくことも重要ではないでしょうか。子どもたちが自分たちの生活とのつながりの中で実感を持って憲法の考え方を理解することは、一人ひとりが権利主体として成長していく上で重要であり、必要なことだと思います。
先日、本屋に行ったときに「『けんぽう』のおはなし」という本を見つけ、面白そうなので買ってきました。
この本は、作家の井上ひさし氏が小学生に話をした内容を絵本にしたもので、憲法がどうして必要なのか、戦争をしない方法はあるのか、自由とは何かなどについて、とても分かりやすく書かれています。これは、子どもたちだけではなく、今だからこそ、大人も読むべき本だと思いました。
この本では、憲法のことをこう説明しています。
「一人ひとりをかけがえのないそんざいとして、たいせつにする社会。それをいちばんだいじにしていこう、というのが日本の『けんぽう』です。」
最近は、小学生向けの憲法の本も充実しています。一度お子様と一緒に読んでみてはいかがでしょうか。
弁護士 小 川 和 男
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