2009年3月9日
「壁と卵」
先日、ニュースでも報道されましたが、作家の村上春樹氏が、イスラエルの文学賞「エルサレム賞」の授賞式で行ったスピーチが大きな反響を呼びました。
「高くて頑丈な壁と、壁にぶつかれば壊れてしまう卵があるなら、私はいつでも卵の側に立つ」、体制を「壁」、個人(市民)を「卵」に例えて、パレスチナ自治区ガザ地区を攻撃したイスラエル軍を批判したものです。
私もニュースでスピーチの一部を見ましたが、とても感銘を受けました。「卵」は世界でたった一つしかない、掛け替えのない存在であるという個人の尊厳を強く訴えた、このメッセージは、まさに私たち弁護士の社会的責任、使命にも通じるものではないかと思ったのです。武器を持たない弱い存在の個人(労働者、消費者、社会的弱者)の基本的人権を擁護し、社会正義を実現する、まさに弁護士が負っている使命ではないかと。
「高くて頑丈な壁と、壁にぶつかれば壊れてしまう卵があるなら、いつでも卵の側に立つ」、この言葉を心に刻んで、今後の弁護士活動をしていきたい。
弁護士 小 川 和 男
著者:小川 和男
問題を抱えているにもかかわらず、誰にも相談できず悩んでいる方は多いのではないでしょうか、そのような方々が気軽に相談できる弁護士でありたいと思っています。まずはお話を聞かせてください。
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