2017年8月7日

「自転車活用推進法」をご存知ですか

　昨年末に国会で成立した「自転車活用推進法」という法律が、本年５月１日から施行されています。あまり知られていないかもしれませんが、文字通り自転車の「活用」を「推し進めていく」法律です。要するにこれから日本も自転車に乗りやすい環境を整備していきますよ、というものです。国として「もっと自転車を使いましょう」という方向に動くということです。ではなぜ今さら自転車なのか、いうまでもないかもしれませんが、それは自転車が、（1）環境に優しい（二酸化炭素を出さない）、（2）健康によくて（自動車などを使うより運動になる）、（3）交通渋滞も起こさない、（4）災害時の活用が期待でき、（5）交通死亡事故が減少する、とされるからです。

　この法律のポイントは、やるべきことが項目立てて示されているところです。活用推進の方針を１５項目にまとめ、その実現のために「国土交通省に、特別の機関として、自転車活用推進本部」を設け、その本部で「自転車活用推進計画」を立案し、これを閣議決定するとされています。さらに、計画は、国会に報告され公表することになっています。

　ただ、国が方針を打ち出しても、それを具体化するのは、地方自治体です。自治体が地域の実情に則して、具体的な施策を進めていくかを注意深く見ていく必要があります。

　私も一人の自転車乗りとして、自転車の環境を変える同法律に期待するとともに、今後の自治体の動きに注目していきたいと思っています。

弁護士　小　川　和　男