2010年11月19日
商品先物取引被害について
2010年10月29日から同月30日にかけて,先物取引被害全国研究会が新潟市で行われたので,出席してきました。同研究会は,先物取引被害を救済するために有志の弁護士が参加しており,年2回のペースで全国研究会を行っています。今回の研究会では,訴訟の実務に関する工夫点の報告,学者による講義,最近の事件の報告などが行われました。
先物取引は,元本保証がなく投機性が高い危険な取引です。
取引の仕組みは複雑であり,これを理解することは容易ではなく,先物会社の従業員に言われるままに取引をしてしまい,その結果大きな損失が出てしまうことがあります。
業者は,法令によって,不適格者(先物取引の知識がない人,余裕資金がない人など)を勧誘したり,断定的判断(「絶対に儲かる」など)を提供したり,業者が客に無断で売買をしたり,取引終了の指示を拒否したりすること等が禁止されていますが,業者がこれらに違反して紛争になることが後を絶ちません。
先物取引で損が出ても,相場で損をしたのだから仕方がないと思い,業者が上記のような法令違反行為をしていても,自分が被害者であることに気づかない方も少なくないといわれています。
また,同研究会では,最近の傾向として,国内の商品先物取引以外の取引(海外商品先物取引,未公開株商法)の被害が多発しているという報告がありました。
海外商品先物取引や未公開株商法は,国内の先物取引に比べると法規制が緩く,これらを勧誘している業者の中には,海外市場に売買の発注を実際には行っていなかったり(いわゆるノミ行為),顧客に対して虚偽のことを告げて信用させようとしたりしている業者もあるようです。また,未公開株商法については,国民生活センターが把握している相談件数がここ1,2年で急増しています。
国内商品先物取引で損失を被った場合で業者に法令違反があるときには,業者に対して損害賠償を請求できることがあります。
また,海外商品先物取引や未公開株商法により損害を被った場合にも損害賠償を請求できることがありますが,これらを勧誘してい業者は,短期間に名前を変えたり事務所を移転したりすることもありますので,時間が経つと連絡が取れなくなったりすることもあるようです。
このような,国内商品先物取引,海外商品先物取引,未公開株商法の被害の心当たりがある場合には,まずは新潟合同法律事務所の弁護士にご相談下さい。
弁護士 小淵 真史
著者:小淵 真史
懇切丁寧な説明を心がけておりますので、どうぞお気軽にご相談下さい。
裁判員裁判の弁護人を経験して思ったこと
ノーモア・ミナマタ新潟訴訟で和解の基本合意が成立