2017年9月4日
弾道ミサイル情報のJアラート
8月29日午前6時2分、携帯電話が鳴って起こされました。ミサイルが発射されたという警報でした。北朝鮮のミサイルは米国に向けて発射されるので、関係ないと思って寝た方もいらっしゃるかと思います。
国営放送も民放もテレビは一斉に弾道ミサイルの報道で埋めつくされ、大本営発表ともいえる政府の発表が垂れ流されます。午前6時7分には日本の上空を飛んでいます。海に落ちたという報道の後は、ミサイルの残骸が落ちてくるかもしれないという怪しげな報道になっていました。
弾道ミサイルを迎撃して打ち落とさなかったなどいう報道がなされていましたが、わが国の「領空」は地上から100㎞の高さまでです。500㎞の上空は領空ではありません。Jアラートの仕組みを見ると、弾道ミサイルが発射された後、国内のレーダー基地とイージス船でミサイルの軌道を捕捉し、ミサイルが打ち上げられた軌道などから国内には落ちないことがわかっていたはずです。発射された弾道ミサイルの軌道が即座にわからなかったら、多額の税金を使ってミサイルの迎撃システムを米国から購入しても、ミサイルを打ち落とすことはできないことになります。
たとえ米国のためとはいえ、国内に落ちる可能性がなく、わが国の上空を飛ぶミサイルを迎撃して打ち落としたら、北朝鮮と戦争を始めることになり、たいへんな事態となっていたと思います。
最近の報道では、首相官邸に泊まったことがない安倍首相は、8月28日に官邸に泊まり、翌日の早朝に記者会見に応じています。北朝鮮のミサイル発射を事前に知っていたかのような行動をしていることに疑念がもたれています。29日にミサイルの発射がなされる可能性があることの情報を事前に知らされていたならば、Jアラートで早朝に起こされ、国民がいたずらに不安で驚ろかされることもなかったといえます。
報道の中で一番不思議に思ったのは、ミサイルが発射されたということの報道がありますが、発射されたミサイルに爆薬が搭載されていたのかという点についてはなんら報道がなりません。ミサイルの弾道には通常爆薬が搭載されてもその威力はあまり大きくなく、ミサイルの製造価格と効果があわないことから、核弾頭を搭載するとその威力を発揮する武器と言われています。公海に向かって落とすだけの北朝鮮の弾道ミサイルに通常爆薬を搭載して発射しているとはあまり考えにくいことです。
この今回のJアラートでの弾道ミサイル報道でわかったことは、北朝鮮が中距離ミサイルで日本を攻撃してきたときには発射から数分で着弾するので、自衛隊が迎撃のための装備をしても打ち落とすことが至難のわざであることです。米国がICBMの迎撃ができたという報道がありますが、それが可能なのは発射から米国領土に到達するまでに迎撃するだけの時間が十分にあるからです。近距離の燐国からの弾道ミサイルを打ち落とすのは、漫画の世界と違って至難のわざといえます。
今回のJアラート騒ぎは安倍政権が狙っている憲法9条の改正に賛成する世論操作と思える騒動だと思うのは私だけでしょうか。憲法9条を改正して自衛隊を公認の軍隊と軍事力を強化しても、現代のミサイル兵器から守ることができないことを示したといえます。平和憲法の精神の正しさを証明したといえます。
米国のトランプ政権の尻馬に乗る安倍政権の姿勢は、まかり間違えば、米国と北朝鮮とのチキンレースにわが国が巻き添えとなる危険性が現実のものとなることを示したといえます。
さまざまな情報が飛び交う現代において、その情報を冷静に取捨選択して判断していくことの必要性を考えさせるJアラートでした。
弁護士 土屋俊幸
著者:土屋 俊幸
パソコンのハードとOSに強く、当事務所のパソコン機器のメンテナンス係りです。自分で高性能のパソコンを自作しています。オーディオが趣味で、最近では、デジタル信号をアナログ信号に変換する機器(DAC)にiPadをつなぎ、どのUSBケーブルだと良い音ができるのかを試行錯誤をしています。ハイレゾ音源とYouTubeのヒアノ演奏や交響楽団の演奏を真空管アンプで、30年前に買ったスピーカーで、音の歪みのもたらす音に聴き入る時間をつくりたいと思っています。論文検索や技術情報の収集など情報検索を駆使しての情報集めを得意としています。オーディオの世界と仕事では燻銀の経験と粘りで頑張っています。
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