2022年1月13日
昨年に続き、みそひと文字で新年のごあいさつ。
来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに
焼くや藻塩の 身もこがれつつ
権中納言定家
貴族文化の代表は和歌ですが、藤原定家が鎌倉時代に選んだ「小倉百人一首」は、「かるた」として庶民に普及し、広く伝えられています。
秋の田の かりほの庵の
苫をあらみ
わが衣手は 露にぬれつつ
天智天皇
夜露に濡れて、農民の生活に思いを馳せたという和歌から始まり、そして
ももしきや 古き軒端の
しのぶにも
なほあまりある むかしなりけり
順徳院
栄華をきわめた都での貴族の生活を偲んでもしのびきれず、昔のことだったという、鎌倉幕府と戦って佐渡に流された順徳院の和歌で終わります。
新型コロナ禍に追われる国民を尻目に、昨年の衆院選挙では日本維新の会を含めた改憲勢力が2/3を占め、今年夏の参議院選挙の結果によっては、憲法改正の発議が現実のものとなると予測されています。
未だに武力にしがみつく勢力に改憲の思いを「むかしなりけり」と断念させることができる年です。
今年も皆様が健康な生活が送れることを願っています。
弁護士 土 屋 俊 幸
(事務所誌「ほなみ」第131号掲載)