新潟合同法律事務所(新潟県弁護士会所属)

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2008年5月29日

最近のヤミ金事件から

 ヤミ金26社に約130万円の借金をかかえ、ややパニック状態でわが事務所に飛び込んできたAさん。ヤミ金に手を出したきっかけは、自宅に送られてきた大手サラ金のアイ×ルと同じ名前のダイレクトメートでした。
 若い女性の写真が入ったカラー印刷のハガキを手にしたAさんは、商売の運転資金が少し足りなかったので、わずかの間、サラ金のお世話になろうという軽い気持で携帯電話からフリーダイヤルに電話。杉×という男性が出て、「こちらから電話をしますから、一旦、切ります」という対応に、「何かヘン」とは思ったものの、折り返しかかってきた電話で、「20万円の融資ができます」と言われ、ヤミ金を利用するようになりました。
 ヤミ金に支払う利息は20万円の元金に対して7日間で4万円。年利に引き直すと1042%。たちまち返済に行き詰まったAさんは、次々と他のヤミ金から借金をするように仕向けられ、わずか4ヶ月の間に180万円もの支払いをさせられ、まだヤミ金26社に130万円の借金が残っています。
 最近のヤミ金の特徴は、ヤミ金に対する厳罰(10年以下の懲役、3000万円以下の罰金)を逃れるため、犯罪の道具に「他人名義の携帯電話」と「他人名義の預金口座」を悪用していること。Aさんも一部のヤミ金の指示で利息代わりに「携帯電話」の現物を送付。アイ×ルの指示で利息を振り込んでいた預金口座の名義人「山○△子」さんもヤミ金の被害者でした。
 弁護士と相談した後、Aさんはすぐにヤミ金への支払いを中止し、ヤミ金からかかってくる電話は「着信拒否」にしました。同時に新潟県警察本部の悪質金融事犯対策室に協力を求め、嫌がらせをするヤミ金に「電話警告」を発してもらい、これまで送金をしていた銀行には預金口座の凍結の要請をしました。
 ひと頃に比べ、警察の動きは積極的で、心強いものがありました。一昨年の貸金業法の改正に伴い、内閣に「多重債務者対策本部」が設置され、「多重債務問題改善プログラム」が作られたことも影響しているようです。
 銀行も速やかに「山○△子」さん名義の預金口座の凍結に応じてくれたため、預金の仮差押えの手続をしたところ、裁判所は住所不詳の「アイ×ルこと杉×こと山○△子」を債務者にして預金債権の仮差押決定を出してくれました。これによってAさんはヤミ金に支払ったお金の一部を取り戻すことができそうです。
 しかし、ヤミ金対策はまだまだ不十分。最大の問題のひとつは、警察の対応が積極的になったとはいえ、すぐにヤミ金の嫌がらせを完全にストップできるまでには至っていないこと。今回のケースでは、大部分のヤミ金は警察の警告に従いましたが、Aさんが商売をやっている近辺の店や、Aさんの親族の勤務先に嫌がらせの電話をかけてきたヤミ金も何件かありました。ヤミ金に対して携帯電話の利用停止を迅速にできるよう早急に携帯電話不正利用防止法の見直しをする必要がありそうです。
                                                                                                     中 村 周 而

著者:

中村 周而さまざまな問題を依頼者の皆様と一緒に考え、解決をめざします。 最近は、社会の高齢化が進む中で、高齢者をめぐる貧困、医療、介護、家族との関係などさまざまな問題が深刻さを増しています。私もそうですが、団塊の世代を含めた高齢者が、もっと声を大にして問題の深刻さを訴える必要がありそうです。

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