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2009年6月18日

歌と踊りと表現と憲法

 (2009年5月15日発行ほなみ掲載)
 人は、なぜ歌ったり踊ったりするのか?
 古くは、豊穣や戦勝を祈ったり死者の霊を慰めるときなどに歌や踊りが行われていたという。
 人間には喜怒哀楽といった感情があり、それを誰かに伝えたいというときにも歌や踊りといった手法が使われてきた。
 歌や踊りだけではない。絵画にしても文学にしても、その根底には、この思いを伝えて理解してほしいという情熱や感情があるといって過言ではないだろう。
 人間は自分の気持ちを誰かに伝えずにはいられない存在であり、その方法として、歌うこともあり踊ることもある。
 現代は、表現の方法、手段、媒体が多様化している。しかし、表現の根幹に、何かを伝えたいという気持ちがあることは、昔も現代も変わらない。
そして、この「何か」の中には、感情だけではなく、思考や理論や情報も含まれる。
 もし、ある日突然、あなたが一切の表現を禁止されたらどうなるだろうか。
それは、人間らしさ、あなたらしさを根底から奪うことと同義である。
僕が僕でいるために、君が君であるために、最大限尊重されなければならないものがある。
 それは、司法試験の憲法の問題で一番多く出題されている基本的人権、憲法21条1項「表現の自由」である。
弁護士 小淵 真史

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