2018年5月11日
無罪判決を受けて
先日、当職が担当する刑事事件で無罪判決を受けました。
事案は、道路交通法違反です(事案の詳細は諸事情により割愛させていただきます)。略式手続(簡易裁判所において公判手続を経ないで罰金又は科料を科する手続)で罰金刑の言渡しを受けた後に当職が私選弁護人に就任し、異議申立後の正式裁判で無罪判決となりました。
この事件の弁護活動を通じて感じたのは、ごく普通の暮らしをしている市民の方が、あらぬ嫌疑をかけられて、えん罪の犠牲にされていることが結構多いのではないかということです。
死刑や無期懲役などが言い渡される重大な事件ではなく、例えば略式命令(罰金)や執行猶予が付くような事件では、たとえ無実であっても、被疑者は無罪を争っても無駄だと思って闘うことをあきらめてしまう。このようにして、えん罪・誤判が闇から闇に葬られてしまっているケースが少なからず存在するのではないでしょうか。
確かに日本の刑事裁判の有罪率は99.9%であり、日本の刑事裁判は絶望的だと指摘されることも多いですが、司法に絶望してたたかいをあきらめてしまっては、壁を打ち破れません。これからも、あらぬ嫌疑をかけられてえん罪の犠牲にされるような人が出ないように弁護人として活動していきたいと思います。
弁護士 小川和男
著者:小川 和男
問題を抱えているにもかかわらず、誰にも相談できず悩んでいる方は多いのではないでしょうか、そのような方々が気軽に相談できる弁護士でありたいと思っています。まずはお話を聞かせてください。
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