2017年10月23日
避難生活の苦しみを語る
ほなみ第122号より搭載
~原発避難者訴訟の本人尋問始まる~
福島原発事故による避難者を原告とする損害賠償請求訴訟は、今年の一月から、原告本人尋問が開始されています。この裁判では、二三九世帯八〇七人の避難者が原告となっていますが、避難者の中から代表の方三〇名余りから証言をしていただく予定にしており、来年の春ころまで原告本人尋問が続く予定です(今後九月八日、一〇月二七日、一二月二二日に尋問期日が予定されています。)。
原発事故による避難者は、放射能に対する恐怖、避難所における困難な生活はもちろん、家庭生活においては、家族がバラバラとなったり、職業生活においては退職や失業、仕事上のやりがい・生きがいの喪失、学校生活においては、転校やこれに伴う教師や友人との別れ、社会生活においては、友人、知人を失い、事故前のコミュニティを喪失してしまうなど、その被害は大変に深刻です。そのため、健康を損なってしまう人も少なくありません。
しかしながら、避難者の被害の実態については、余り知られておらず、誤解されていることもあります。原告の方々から、法廷で、生の訴えをしていただくことにより、裁判所にも、広く世間の人たちにも、避難生活の苦しみを理解していただきたいと考えています。
是非多くの皆様から法廷に足を運んでいただき、原告の方々にエールを送っていただきたいと思います。 (弁護士 近藤 明彦)
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