2011年3月23日
電柱に青いテープが巻けるまで頑張りましょう!
東北関東大震災が起きてから約1週間。私の実家がある新潟県三条市に、現在(2011年3月19日)、福島県南相馬市から約600人の被災者の方々が避難しています。
今回の被害の大きな原因は巨大津波です。水による災害と言えば、三条市は7年前に梅雨末期の豪雨で川の堤防が決壊し濁流が町を飲み込んだ災害を経験しています。死者9名、洪水の被害を受けた人は2万人を越えました。
私の実家は、決壊箇所から1㎞程度のごく近くでしたが、地面の傾斜の幸運からか、家の目の前で濁流が旋回し難を免れました。母はその一部始終を台所の窓越しで見ていたそうです。水害後1週間くらいして実家に帰った時、柱だけになった親戚の家に行って、掃除を手伝ったり消石灰をまいたりしました。
あれから7年、いま三条市内のあちこちの電柱には、さまざまな高さで青いテープがお相撲さんのまわしのように巻かれています。その上の方には「想定浸水線 ○m」という表示もあります。この「○m」には、「0.8m」もあれば「1.0m」もあれば「1.5m」もあります。7年前の水害を教訓に「もしもう一度堤防が決壊したら、この程度の水が来ますよ」というものです。
興味が沸いてあちこち歩いて電柱を見ていたら、決壊地点の近くで「2.5m」「3.0m」という表示を見つけました。私が片手を伸ばして背伸びしても届かない高さです。ここまで水に沈んだのか。もしその高さで激しい濁流が押し寄せてきたら助かるだろうか。暗たんとした気持ちになりました。
今回の大震災は、その数倍の高さの津波が押し寄せ、家も家族も友人も失った人が数十万人に達するという桁違いの被害を生みました。そんな尋常でない深い傷を受け苦痛と悲嘆に暮れている人たちが、いま自分のふるさとに避難している。この現状を冷静に受け止めることはまだできていません。
しかし、生きて助かった以上は何とか生きなければなりません。福島県南相馬市ほか被災された皆さん、長い歳月がかかると思いますが、皆さんの町の電柱に青いテープが巻ける日まで頑張ってください。私もできるだけお役に立ちたい。
弁護士 金 子 修
著者:金子 修
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