新潟合同法律事務所(新潟県弁護士会所属)

電話番号:025-245-0123(受付日時:平日9:00~17:00)
受付日時:平日9:00~17:00

相談受付フォーム(予約専用)

相談受付フォーム(予約専用)

2008年4月17日

なくそう!不安定雇用

Aさんは派遣会社から携帯電話に仕事の連絡が入り、「明日の仕事は○○会社ですので、そこに行って下さい。」と言われます。日雇い派遣ですので、仕事が終わると、その日に日給が払われます。翌日も同じ職場で働けるわけではありません。きつい肉体労働でも一日六〇〇〇円から七〇〇〇円です。いくつかの派遣会社に登録し、連絡を待っている毎日です。一か月働いても月一三万円程度にしかならず、親元を離れて独立した生活ができる状態ではありません。
Aさんのような二〇代、三〇代の若者が増え、日雇い派遣や短期の雇用契約のスポット派遣など、人間をまるでモノのように使い捨てにする労働が拡大し社会問題となっています。
「派遣社員」、「アルバイト」、「パート」、「契約社員」などの様々な呼び名で呼ばれる非正規労働者は労働者全体の三四%を占め、働く人の三人に一人はこのような不安定な非正規労働者となっています。
労働者の派遣は発足当時は専門的な業務や業種に限定されていましたが、規制緩和の名のもとに、現在ではごく一部の業務についてだけ禁止され、ほとんどすべての業務で労働者派遣を認めるという改悪がなされ、派遣労働への規制が野放しになってしまいました。
グッドウィルやフルキャストなどで問題となった、Aさんのような日雇い派遣労働は低賃金で労働条件も劣悪です。「ワーキングプア」という言葉に象徴されるようにまじめに働いても貧困状況から抜け出すことがなかなかできません。
登録型派遣の労働者も一か月から三か月程度の非常に短い雇用契約を繰り返して働き、不安定な状況におかれています。
派遣会社のマージン率(派遣料金から派遣労働者に支払った賃金を引いた額)についても規制がないため、「ピンハネ」(一割)どころか三割も四割も引くのが当たり前となっていると言われています。「ピンハネ」をしていた戦前の人夫供給業や口入れ屋などよりもひどい実態です。
労働者派遣法の改正が議論をされています。派遣労働は臨時的・一時的業務について行われるもので、常用の代わりにすべきものではありません。
派遣労働を認める業務を限定し、日雇い派遣を禁止し、マージン率の規制など低賃金と不安定な雇用の温床となっている派遣労働の規制を強化する必要があります。
日雇い派遣などをやめさせ、常用型雇用へ転換させることが必要です。
次世代を担う二〇代、三〇代の若者が不安定な雇用におかれ、「ネットカフェ難民」に象徴されるような最低限の生活さえも保障されない貧困生活にあえいでいる実態が一刻も早急に改善されなければなりません。
弁護士 土屋 俊幸

著者:

パソコンのハードとOSに強く、当事務所のパソコン機器のメンテナンス係りです。自分で高性能のパソコンを自作しています。オーディオが趣味で、最近では、デジタル信号をアナログ信号に変換する機器(DAC)にiPadをつなぎ、どのUSBケーブルだと良い音ができるのかを試行錯誤をしています。ハイレゾ音源とYouTubeのヒアノ演奏や交響楽団の演奏を真空管アンプで、30年前に買ったスピーカーで、音の歪みのもたらす音に聴き入る時間をつくりたいと思っています。論文検索や技術情報の収集など情報検索を駆使しての情報集めを得意としています。オーディオの世界と仕事では燻銀の経験と粘りで頑張っています。

« 次の記事
トップへ戻る
新潟合同法律事務所