新潟合同法律事務所(新潟県弁護士会所属)

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2009年12月9日

ノーモア・ミナマタ新潟訴訟第2回弁論ひらかれる

 無用な争いをやめ、謝罪を
 ノーモア・ミナマタ新潟訴訟の第2回口頭弁論は、12月3日、午前11時30分から開かれた。これに先立ち、多数の支援者の激励を受けながら阿賀野患者会の16名の会員が第2陣として提訴し、新たに原告団に加わった。第1陣と合わせると原告数は43名となり、追加提訴の勢いもあって法廷は大いに盛り上がった。
 事前に開かれた進行協議の結果をふまえ、口頭弁論では、草野裁判長の指示に従い、原告が提出した準備書面(被告国の求釈明を受けて訴状の引用文献を記載)と、被告昭和電工と国が提出した準備書面が型どおり陳述され、双方から多数の書証が提出された。その後、私を含む原告代理人2名と山崎原告団長が意見陳述を行った。
 私は、本件の原告以外にも、自分でも水俣病被害者であることに気づかなかったり、差別や偏見のため名乗り出ることができない多くの水俣病被害者が存在することを考慮し、行政が早急に被害地域の住民の健康調査を実施し、被害者の掘り起こしをすることが必要であることを訴えた。
 原告団の山崎団長は、「平均年齢70歳代の原告は、第2陣原告の提訴で新たな仲間を迎え、全被害者の救済と水俣病問題の最終解決に向けての闘いに決意を固めている。昭和電工と国は無用な争いをやめて被害者への謝罪と償いを行ってほしい」と力強く訴えた。

 昭和電工と国は全面的に争う構えを明確に
 昭和電工と国は、今回、改めて全面的に争う構えを明確にした。国は、原告の主張する「判断条件の改悪による患者切捨て責任」の主張に対して、52年判断条件と53年通知は、昭和46年通知を具体化したものにすぎず、昭和46年の認定要件を狭めて改悪したという原告の主張は失当であると反論した。昭和電工は、除斥期間と時効の主張を持ち出し、アセトアルデヒドの生産停止(昭和40年1月)からも、阿賀野川の「安全宣言」(昭和53年4月)からも20年が経過しており、原告らの請求権は除斥期間の経過で消滅しているなどと主張した。
 この点について、最後に意見陳述を行った原告代理人の土屋弁護士は、「原告らは、被告昭和電工が第1次訴訟で農薬説を主張したことに匹敵する、このような不当な主張を撤回するように求めるとともに、被告国に対し、第2の水俣病の責任を争うことなく、原告ら水俣病被害者への責任を果たすことを求める」と結んだ。
 弁論の後、弁護士会館で開かれた記者会見では、第2陣原告代表の坂井正男さんと権瓶十蔵さんが水俣病の全被害者救済のためにさまざまな困難を乗りこえて裁判に立ち上がった経緯を述べ、裁判闘争の支援を訴えた。
 次回期日は来年2月4日、次々回期日は5月20日の予定である(いずれも午前11時半)。
   (弁護士 中村周而)

著者:

さまざまな問題を依頼者の皆様と一緒に考え、解決をめざします。 最近は、社会の高齢化が進む中で、高齢者をめぐる貧困、医療、介護、家族との関係などさまざまな問題が深刻さを増しています。私もそうですが、団塊の世代を含めた高齢者が、もっと声を大にして問題の深刻さを訴える必要がありそうです。

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