新潟合同法律事務所(新潟県弁護士会所属)

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2016年11月7日

不当解雇事件”完全”勝利和解

(事務所誌ほなみ第120号搭載)
 Aさんは、B社のある部門に所属する正社員でしたが、2014年4月、B社は、Aさんが所属する部門を閉鎖すると発表し、当該部門に所属している社員に対して執拗な退職勧奨をしてきました。B社側の説明に納得のいかなかったAさんは県労連ユニオンに加入し、組合を通じて団体交渉を申し入れました。するとB社は、Aさんを「整理解雇」したのです。
私と土屋弁護士で代理人となり、まずは仮処分の申立てを行いましたが、結局私たちの主張は認められず敗訴となり、私としてもとてもショックでした。
ところが土屋弁護士は、「労働事件は、勝つまでやれば負けないから。」と力強く宣言し、私もその言葉を信じて(正直なところ、当時は半信半疑でしたが・・・)本訴を提起しました。
本訴を提起したものの、裁判は膠着状態といった感じでした。仮処分で勝っているB社側としては、淡々と裁判を進め、自分たちから和解の提案をする必要はないと思っていたのではないかと思います。
ところが、この状況を一変させたのが、まさに「組合活動」でした。B社の前で街宣活動やビラ配りなどを行った途端、B社側から和解の申出があり、最終的には、Aさん側の要求をほぼ受け入れる形での和解となりました。
「勝つまでやれば負けない」という土屋弁護士の言葉どおり、たとえ仮処分で負けたとしても、決してあきらめることなく、粘り強く会社側の不当性を追及し続けたことが、今回の完全勝利和解につながったのだと思います。
労働事件における「いち労働者」は、会社を前にすると、本当に弱弱しい立場にあります。しかしながら、「いち労働者」自身が信念をもって会社に立ち向かい、組合がそれを支援して今回のような解決を勝ち取ることが、「労働者」全体の立場を強くしていくのだと思います。
私自身も、今回の事件を通じて、大変勉強になりました。
            (弁護士 鈴 木 麻 理 絵)

著者:

生まれも育ちも埼玉県ですが、縁あって新潟で弁護士として働くことになりました。依頼者の方に「相談して良かった」と思っていただけるように、誠実に取り組んでまいります。

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