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2018年1月30日

新潟地裁三条支部の株主代表訴訟で株主が勝訴

三条昭栄開発は、三条市の商業施設「パルム1」と「パルム2」の運営管理会社。昭和63年に三条市やパルム関係者の出資で設立され、現職の三条市長が代表取締役を務めてきました。

裁判で問題になったのは、平成22年8月、三条昭栄開発がそれまでパルム2で使っていた事務所(本件不動産)を約297万円で新潟管財の関係者に売却したのに、売却した物件を引き続き三条昭栄開発の事務所に使うため月約14万円で2年近くにわたって賃借していたこと。同社は、同じパルム2に、他社に賃貸している別件建物を持っており、本件不動産を売却後間もなく、賃借人は別件建物から退去していました。

同社の株主の鈴木さんは、三条昭栄開発に対し、代表取締役である國定氏の責任を追及する訴えを提起するよう求めましたが、会社の監査役はこれを拒否。そこで、鈴木さんは平成25年11月、國定氏を被告として、新潟地裁三条支部に株主代表訴訟を起こしました。

提訴から4年後の昨年10月31日、新潟地裁三条支部は、鈴木さんの主張を認め、勝訴判決を出しました。判決は、賃借人が別件建物を退去した後の平成23年4月も、代表取締役である國定氏が、本件不動産の賃貸借契約の解除を検討しなかったのは、取締役の「裁量を逸脱して著しく不合理であり、被告は取締役の善管注意義務を怠った」として國定氏の取締役としての責任を明快に認定。その結果、会社に損害を与えたとして三条昭栄開発が支払いを余儀なくされた約134万円を同社に支払うよう國定氏に命じたのです。なお、國定氏は、この判決を不服として控訴しました。

(弁護士 中村周而)

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