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2021年1月14日

牛のようにゆっくりと、そして、力つよい変革の歩みに

(事務所誌ほなみ第129号掲載)

 

昨年は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大で、さまざまな「フェイクニュース」がネット上で飛び交い、何が真実なのかがわからなくなるような社会状況と、不安と「コロナ差別」による心ないバッシングが蔓延した一年でした。

感染拡大が進む中で、平家物語の一節ではありませんが、「奢れる者は久しからず」、「盛者必衰のことわり(理)」によって社会の歪みが是正される変革のうねりがゆっくりとではありますが、動き始めました。

秋の日に、「静こころなく、花の散るらん」と、「アベのマスク」に象徴される新型コロナ対策を誤った安倍首相が退陣し、「人知れずこそ思いそめ」ていた「令和おじさん」が令和の二代目の首相になりました。

「遠く異朝をとぶらへば」(遠い外国を探すと)、米国では新型コロナ対策を疎かにしたトランプ大統領は再任ができませんでした。「フェイクニュース」で人心を煽り、対立を激化させる政治手法に「ノー」が突きつけられ、日本のお友達と同じ憂き目にあっています。

ところで、国会では政府の森友問題での虚偽答弁が計138回もあったと報告され、国民を欺いた前政権の姿が暴露されました。日本学術会議の任命拒否問題で、学問の自由を侵害する政権体質が露呈し、前政権のやり方を踏襲した令和の二代目も苦境に立たされています。「ただ春の夜の夢のごとし」の政権とならないかと危惧されています。

自宅でのネット配信を使用した授業が広がり、仕事もテレワークによって自宅で行い、高齢者も外出を控えるように、という自宅での引きこもりの生活スタイルを拡大しようという動きが強まっていますが、ワクチンの摂取が始まり、大流行した新型コロナ感染の終息への期待が高まっています。

前回の昭和39年の東京オリンピックの年は、6月に新潟水俣病のいわゆる「農薬説」で主張された新潟地震による津波が信濃川を襲い、10月には「東洋の魔女」、「ウルトラC」が流行語となり、選手の活躍に国民が熱狂しました。

延期された東京オリンピックが開催され、新型コロナ感染が終息し、オリンピックを家族揃って熱狂できるような平穏な日常生活を取り戻すことができることを祈念しつつ、虚偽と居直りの政治から国民生活を大切にする政治へ、牛のようにゆっくりと、そして力つよい変革の歩みの年であることを期待します。

弁護士 土屋俊幸

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