2014年2月4日
「祝婚歌」と靖国神社参拝
最近、詩人の吉野弘さんが亡くなりました。吉野さんの有名な詩に『祝婚歌』があります。今でも結婚披露宴でよく引用されます。その中に、
「正しいことを言うときは、少しひかえめにするほうがいい。
正しいことを言うときは、相手を傷つけやすいものだと
気づいているほうがいい。」
というくだりがあります。
昨年末、安倍首相は靖国神社に参拝しました。そのことに多方面から批判が出たことについて、彼は、「中国・韓国の人々の気持ちを傷つける気持ちは全くない。」「一国のリーダーが国のため戦った方々に手を合わせ、御霊(みたま)安かれなれという気持ちささげるのは各国のリーダーに共通するものだ。」と言っているようです(国会答弁)。
安倍首相は、自分は「正しいこと」を言っていると思っているのでしょう。「正しいこと」をしているのだから遠慮することはない、それを理解しない方がおかしい、という気持ちがにじみ出ています。そんな安倍首相の考えに賛同する声があることも確かです。
しかし、「正しいことを言うとき(するとき)は、相手を傷つけやすいものだと、気づいているほうがいい」のではないでしょうか?
夫婦(近所づきあい)を長持ちさせる極意は、相手を思う気持ち、相手の目線を意識しようとすること、だとか。それは国と国との関係にも当てはまると思うのですが。
(弁護士 金子 修)
著者:金子 修
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