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2015年8月20日

自ら敵を作りに行くようなもの ~「重要影響事態法案」~

(事務所誌ほなみ第118号掲載)

 政府は、現行の周辺事態法を改正して、「日本の平和・安全に重要な影響を与える事態」での自衛隊の後方支援活動を可能とし、「日米安保条約の目的達成のために活動する米軍」に加えて「国連憲章の目的達成のための活動を行う外国軍隊」も支援対象にするとしています。

 そもそも、周辺事態法は、我が国の周辺地域での「周辺事態」に対応する米軍の後方支援等を行うものでしたが、地域の限定をなくし、また米軍に限らず、「そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態」(「重要影響事態」)に対応する外国軍隊に対し、自衛隊が後方支援活動等を行うこととするものです。

 しかも、弾薬の提供等まで含めて「現に戦闘行為が行われている現場」以外の場所ならばこれを可能としています。

 これは、自衛隊の活動地域は、現に戦闘行為が行われていなければ、そのすぐ近くの地域であっても可能となり、そのような場所で弾薬の提供まで含む兵站活動を行っている自衛隊は、相手国から見れば外国軍隊とまさに一体となって武力行使をする補給・支援部隊とみられ、相手国からの攻撃の対象となることは避けられません。結局、「武力行使の一体化」禁止の原則は空文と化し、相手国からの攻撃に対して自衛隊が武力の行使をせざるを得ない状態に陥ることは明らかであり、自ら敵を作りにいくようなものです。

 このような、自ら敵を作りに行く、紛争の当事者になりに行くような法律には断固反対します。

 

弁護士 小川 和男

著者:

問題を抱えているにもかかわらず、誰にも相談できず悩んでいる方は多いのではないでしょうか、そのような方々が気軽に相談できる弁護士でありたいと思っています。まずはお話を聞かせてください。

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