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2015年9月6日

安保法案(戦争法案)を巡る動きについて(「憲法」ってなに?)

 現在参議院で審議中の安保法案(戦争法案)をめぐり、8月30日に全国で多くの方々が反対の声を挙げました。私も新潟市で行われた集会に参加しましたが、2000人を超える方々が「戦争反対」「戦争したがる総理はいらない」と声を挙げました。

これまで、元最高裁長官、元最高裁判事、元内閣法制局長官、大多数の憲法学者、全国の弁護士会がこの安保法案は「違憲」との意見を表明しています。私も今回の安保法案は憲法解釈の限界を超えたものとして憲法違反であると確信しています。

そもそも憲法とは、「国民の自由を権力者から守る為」に権力者を縛る為のものであって、権力者が守るべきルールです。私たち国民が守るべきルール、例えば人を傷つけてはいけない(刑法)、お金を借りたら返さなければいけない(民法)というルールと同じように、権力者は「憲法を守らなければならない」のです。その為、国会が定めた法律が憲法に違反した場合はルール違反であるとして、憲法違反=無効とされるのです。

今の安保法案は、政府が自分が縛られているはずのルールを破り、国民を危機にさらすものというほかありません。 

報道を見ていると、戦争法案や徴兵制といった議論について「無責任なレッテル張りだ」などとの意見もありますが、法律を読めば読むほど、議会での議論が深まれば深まるほど、この法案は「米軍と一緒になって世界中に自衛隊を派遣するための法律」と言わざるを得ません。この法案は、「戦争巻き込まれ法案」であって、「平和安全法案」と呼ぶことのほうがよっぽど「無責任なレッテル張り」です。 

昭和の安保闘争を知らない世代にとっては、ある意味「初めて」憲法を守る為、守らせる為に動かねばならないときに来ています。今こそ国民の「不断の努力」試されているのだと思います。

弁護士 二宮 淳悟 

 

著者:

2010年12月 当事務所入所 ・2012年~新潟県弁護士会 東日本大震災復興支援対策本部 本部長代行 ・2015年~新潟県弁護士会 憲法改正問題特別委員会 副委員長 ・2019年~新潟県弁護士会 糸井川大規模火災対応本部 事務局長 ・2020年~新潟県弁護士会 学校へ行こう委員会 副委員長 ・2023年~新潟県弁護士会 刑事弁護委員会 副委員長  ・2012年~日本弁護士連合会 災害復興支援委員会 運営委員 ・2018年~関東弁護士会連合会 災害対策委員会 副委員長

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