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2010年6月28日

中国人強制連行強制労働事件について

 “中国人強制連行強制労働事件”と聞いても、何の事件?と思われる方が圧倒的に多いと思います。
 日本が中国と戦争をしていた頃ですから、今から60年くらい前、もうその頃のことをじかに知っている人は少ない。でもその頃、日本の政府は、敵国である中国から約4万人もの男性を強制的にあるいは騙して日本に連行し、炭鉱や鉱山、工場、港の荷役、発電所工事に送り込み、奴隷のような強制労働をさせました。日本人がみな兵隊にとられ深刻な人手不足になっていたからです。
 真冬なのに夏服のような服装のまま、宿舎はノミとシラミだらけ。風呂もなし。食事はヌカやドングリ粉をまぜた小さなマンジュウが2~3個のみ。力が出ないのに「怠けるな」と棒でたたかれる。こんな状態では生きているのが不思議なくらいで、実際に多くの中国人が病気や事故で死亡し、生きて帰れた人もひどい後遺症に苦しみました。しかも、「戦争中、日本に協力した」という冷たい視線と社会の差別の中で、その後の生活を送らなければならなかった。・・・・
 こんなひどい人権侵害があるのでしょうか。しかも戦後60年以上たった今でも、日本政府はこれらの被害者に何の謝罪も償いもしていません。
 新潟でも、新潟西港(新潟市)、信濃川発電所(小千谷)、赤谷鉱山(新発田)に多数の中国人労働者が連行され強制労働させられ、多くの方が異国の地で亡くなりました。裁判もたたかいましたが、結局、裁判所は「裁判所ではムリだ、政治が解決すべきこと」と言って手を引いてしまいました。
 さる6月12~13日、約40人で信濃川発電所や同じ強制労働の現場である御岳発電所(長野県)へ行き現地調査してきました。日本人だけでなく、強制労働させられた本人や遺族の中国人の方々も一緒でした。
 当時のひどさを実際に見ていたおばあちゃんの話を聞いたり、今でも稼働している施設を目の当たりにしました。
 信濃川発電所から信濃川へ勢いよく落ちる水流からつくる綺麗な水しぶきを見ながら、この問題に何のケジメもつけないまま日本は自分たちの幸福だけを追求してきたのかという思いがよぎり、急にノドの奥に何とも言えない苦みを感じました。
 今年は韓国併合100年、来年は中国侵略(満州事変)80年です。早くケジメをつけないと。                    
 弁護士  金子 修

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