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2016年4月13日

「GPS捜査」はありかなしか。

警察が捜査対象者の車にGPSをひそかに取り付けて捜査する「GPS捜査」はありでしょうか。なしでしょうか。捜査機関としては、捜査対象者の行動を把握するのに、これほど便利な捜査はないでしょう。しかし、捜査対象となった側からすれば、逐一行動を監視されていることから、プライバシー権が侵害されているといえます。私は、「GPS捜査」は裁判所の令状なくしては許されない「違法な捜査」というべきであり「なし」と考えます。また、実際に「GPS捜査の適法性」が問題となった刑事事件において、各地の地方裁判所が「プライバシーを大きく侵害するもので違法」と判断したものがあります。

先月、大阪高等裁判所は、GPS捜査について「重大な違法とまではいえない」と指摘し、その捜査によって得られた情報を証拠として判断しました。この判決について、一部報道では「GPS捜査は適法」との見出しをつけていましたが、これは明らかに誤りです。

刑事事件において、捜査の違法性が問題となった場合、①適法、②違法、③重大な違法の3つの判断がありえます。重要なのは、単なる違法(②)の場合は、証拠となりますが、重大な違法(③)の場合は、証拠として使えないという点です。大阪高裁判決では、重大な違法(③)ではないと判断し、証拠として採用しましたが、違法ではない(=適法(①))と判断したものではないのです。

今回の高裁判決によってGPS捜査が適法とされたわけでもなければ、捜査機関が違法な捜査を続けることは決して許されるものではありません。裁判報道に接するときには、「見出し」が必ずしも正確な表現ではないことに注意しておかなければいけないと思います。

弁護士 二宮 淳悟(新潟合同法律事務所所属)

著者:

二宮 淳悟2010年12月 当事務所入所 ・新潟県弁護士会 東日本大震災復興支援対策本部 本部長代行 ・新潟県弁護士会 憲法改正問題特別委員会 副委員長 ・新潟県弁護士会 糸井川大規模火災対応本部 事務局長 ・日本弁護士連合会 災害復興支援委員会 運営委員 ・関東弁護士会連合会 災害対策協議会PT 委員

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