新潟合同法律事務所(新潟県弁護士会所属)

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2016年1月26日

「約束を守る」ということ

2016年もよろしくお願い申し上げます。日々の業務を通じ、多くの方々と出会い、支えられております。心から御礼申し上げます。

さて、新潟で弁護士としてのスタートをきってから5年が経ちました。今振り返れば、新潟の出身ではない私にとって、最初のハードルは「地名」でした。相談や打ち合わせの際に「電車通りをまっすぐ・・・」とか「赤道沿いの・・・」といった地元の方なら誰でもわかる説明を頂いても、5年前の私は、文字通り右も左も・・・でした。しかし、今では「あそこの警察署の近くだな」とイメージできるようになりました。場所の基点が警察署なのは、弁護士の「職業病」かもしれません。

弁護士の「職業病」と言えば、証拠があるかということをいつも気にしてしまいます。相談者の方が「彼とは●●と約束したんだ」という場面では、相手方が「約束なんてしていない!」と反論されることが予想されます。どちらの言い分が正しいかの「証拠」の有無を検討し、その約束を守らせる為の最善の方法を検討することになります。多くの場合は、契約書などの書類や、写真といったものが証拠になります。弁護士としては、証拠を検討し、依頼者の最善の利益を図ることを通じて「法の支配」が根ざす社会を実現していかねばと考えます。

昨年は、証拠は明らかなのに、約束が破られるといった出来事がありました。戦後70年間、憲法9条の下では「集団的自衛権の行使は許されない」と国民と約束してきたことは憲法の文言からも歴代の政府解釈からも明らかであったにもかかわらず、それが一時の政権によって破られたのです。また、TPPについて断固反対といった選挙公約という約束も、いつのまにか反故にされています。「ウソつかない」「ブレない」といった選挙公約もどこ吹く風です。このような国民との約束を守らないことに慣れてしまった政府権力者が現在議論しているのは有事や災害時において「時の権力者に白紙委任する」という内容の緊急事態条項の明文改憲です。このような憲法が実現してしまえば、法の支配ではなく、人の支配による社会に突き進んでしまいかねません。

今年は、日々の業務でも「約束を守らなければいけない」といった「法の支配」が根ざす社会にしたいと思うと同時に、大前提となる憲法が蔑ろにされた状況を打破すべく、みなさまと様々な活動に取り組んで参りたいと思います。

弁護士二宮淳悟

著者:

2010年12月 当事務所入所 ・2012年~新潟県弁護士会 東日本大震災復興支援対策本部 本部長代行 ・2015年~新潟県弁護士会 憲法改正問題特別委員会 副委員長 ・2019年~新潟県弁護士会 糸井川大規模火災対応本部 事務局長 ・2020年~新潟県弁護士会 学校へ行こう委員会 副委員長 ・2023年~新潟県弁護士会 刑事弁護委員会 副委員長  ・2012年~日本弁護士連合会 災害復興支援委員会 運営委員 ・2018年~関東弁護士会連合会 災害対策委員会 副委員長

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